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2008年06月20日(金) 12時00分

グリーンピースメンバーら2人を鯨肉窃盗容疑などで逮捕オーマイニュース

 各社の報道によれば、環境保護団体「グリーンピース・ジャパン(GPJ)」(東京都新宿区、星川淳・事務局長)が、調査捕鯨船「日新丸」が捕獲した鯨肉を宅配便会社から無断で持ち出した問題で、警視庁と青森県警は20日朝、グリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当部長・佐藤潤一容疑者(31)と鈴木徹容疑者(41)を窃盗と建造物侵入の容疑で逮捕した。また、先ほどからGPJ本部事務所などの捜索も始まった。

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 2容疑者は今年4月16日、西濃運輸青森支店の配送センターに侵入、日本鯨類研究所から委託を受けた日新丸乗組員の共同船舶(東京都中央区)社員が、4月15日に東京から北海道函館市の自宅に送った、鯨肉23.5キロ入りの段ボール1箱を盗んだ疑いがもたれている。

  GPJは5月15日に記者会見を開き、段ボールには鯨ベーコンの原料になるウネス(鯨の下あごから腹部の部分)の部位が入っていたとして、東京地検に日新丸乗組員12人を業務上横領の疑いで告発。同時に盗んだ疑いがもたれている鯨肉についても東京地検に提出したと発表していた。

 GPJが用いた調査手法については、事実が明らかになった当初から議論をよんでいたが、GPJ側は「荷物は返却する予定だったが、中身が塩漬けの鯨肉と確認されたため確保した。巨大な横領行為を明らかにするにはこの方法しかなかった」と主張。

 一方、西濃運輸はGPJの発表を受け、翌5月16日に青森県警に被害届を提出していた。

 また、オーマイニュースの記事「横領鯨肉を盗み出したグリーンピースの言い分は?」にあるように、5月22日に日本外国特派員協会で開いた会見で佐藤容疑者は、

 「品名には段ボールと書いてあったが、重量からして明らかに疑わしく、確認するために傍受した。その後荷物は返却する予定だったが、中身が塩漬けの鯨肉と確認されたため確保した。荷物は昨日東京地検に提出した」

 「(荷物を盗んだことについては)いま捜査を受けている段階なので、コメントする立場にない。だが、われわれの行動を捜査することは、鯨肉の横領を全面捜査することと表裏一体だ。そういう意味で、検察の捜査には全面的に協力する」

 と話していた。

  GPJは71年にアメリカがアラスカ沖で行っていた核実験に抗議していた市民団体が母体となって設立された国際環境保護団体「グリーンピース」(本部はオランダのアムステルダム)の日本支部。グリーンピースは現在日本も含め41か国に支部があり、専従職員約1000人。会員数は約290万人。

 GPJは89年4月に設立され、2006年の総収入は約1億5000万円。

(OhmyNews 編集部)

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