記事登録
2008年06月19日(木) 03時07分

介抱中刺された警部補、「犯人はあっちだ」と同僚に読売新聞

 東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、負傷者を介抱している最中にナイフで刺された警視庁万世橋署の丸山正市警部補(53)が、意識を失いかけながら、駆けつけた同僚署員に「(犯人は)あっちだ」と逃走方向を指さしていたことが分かった。

 同僚署員は、騒然とする歩行者天国の人込みの中から加藤智大(ともひろ)容疑者(25)(殺人未遂容疑で逮捕)を見つけ出し、2分足らずで取り押さえた。丸山警部補は今も重体で、同僚らは回復を祈り続けている。

 同庁幹部によると、丸山警部補は交通課に所属し、事件当日の8日は、現場の交差点近くで歩行者天国の交通整理をしていた。

 加藤容疑者が運転する2トントラックが交差点の人込みに突っ込んだのは、午後0時33分ごろ。丸山警部補は、すぐに駆け寄って救助にあたったという。

 その直後、ダガーナイフを構えた加藤容疑者が後ろから背中を一刺しした。傷は心臓近くまで達する深いものだったが、丸山警部補は意識を失いかけながらも、秋葉原交番から駆け付けた巡査部長(41)らに「あっちだ」と声を振り絞り、逃走方向を指さしたという。

 丸山警部補の容体は依然、予断を許さない状態が続いており、同僚らは「犯人を取り逃がしてはならないという一念で行動したのだろう。今はとにかく回復してほしい」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080618-OYT1T00922.htm