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2008年06月19日(木) 08時26分

スマートフォン「ブラックベリー」 個人向け8月販売 ドコモ、法人と両面戦略フジサンケイ ビジネスアイ

 NTTドコモが、世界的に人気の高いカナダ・リサーチ・イン・モーション(RIM)製スマートフォン(パソコン機能を備えた携帯電話)「ブラックベリー」=写真=を、8月から日本の個人ユーザー向けに販売することが18日わかった。ブラックベリーはビジネス仕様のため、ドコモはこれまで法人顧客に限って供給してきたが、市場拡大を背景に個人、法人の両需要に向けて販路を広げる。

 一方、マイクロソフトは同日、スマートフォン用基本ソフト(OS)の改訂版を発表。法人需要開拓を本格化する。アップルが7月に投入する多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」は、若者ユーザーに加えてビジネス需要にも対応する方針で、スマートフォン市場は世界大手による三つどもえの様相となってきた。

 スマートフォンは、携帯電話にパソコンの機能を盛り込んだ情報端末。通話、メール、インターネット閲覧、写真撮影のほか、さまざまなソフトウエアを作動させられ、ビジネス需要を中心に普及してきた。

 ブラックベリーは世界で1400万台を販売し、米スマートフォン市場でシェア4割を誇る人気シリーズ。企業内ネットワークを外出先から利用しやすく、独自のセキュリティー機能も備えている。

 ドコモは2006年9月に英語版、昨年7月には日本語版を発売し、外資系企業など1100社が導入している。ただ企業側は専用サーバーの設置が必要で、端末20台の導入で初期費用は300万円と高額だ。

 このため、今夏から個人や小人数の中小企業向けにも端末を販売する。企業内ネットへの接続は省略されるが、パソコンのメールを端末で自動受信できる新機能で、ビジネスの利便性を確保する。RIMが欧米で発表した最新型端末も、年内をメドに国内で販売する計画だ。

 マイクロソフトが18日発表したスマートフォン用新OS「ウィンドウズ・モバイル6・1」は、従来版よりも操作性を改良し、企業が多数の端末をグループで管理しやすい機能を追加。ブラックベリーと同様に、企業側に設置する新型サーバーも用意した。マイクロソフトはOSを採用する端末メーカー、サーバーを提供する携帯電話会社、システム開発会社との連携を強化し、市場での勢力拡大を図る。

 アップルのアイフォーンは目玉機能が音楽プレーヤーのため、当面は若者など個人を中心に普及するとみられる。しかし7月投入の最新機種では、企業で使う業務用ソフトウエア導入を容易にし、ネット経由でアドレス帳や予定表を提供する新サービスも開始。RIMやマイクロソフトの牙城(がじょう)だったビジネス市場を切り崩す構えだ。

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