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2008年06月18日(水) 20時57分

微量採血用穿刺器具問題で要望書医療介護CBニュース

 島根県益田市の診療所で、同一の針による微量採血用穿刺(せんし)器具の複数の患者への使用が発覚した問題について、全国保険医団体連合会(保団連)は6月18日までに、「患者や国民の不安を解消するため、事態の正確な情報を公開すべき」などとする要望書を、舛添要一厚生労働相に提出した。

 この問題については今年4月、同市の診療所が患者37人に同一針による微量採血用穿刺器具を複数者使用していたことが発覚。因果関係は不明ながら、21人がB型、C型肝炎ウイルスに感染した恐れがあると報道された。
 同県の調査で、器具の複数者使用が約60の医療機関で判明したが、この診療所以外には、同一の針を複数の患者に使用した例はなかった。

 厚生労働省は5月30日、都道府県あてに6月20日を結果の提出期限とした調査の実施要綱を送付。不適切な使用が判明した医療機関について、施設名の公表も検討している。

 保団連では、「同一針の複数者使用は、医学的常識にもとる行為として言語道断」とした上で、「問題となっている事態は、主に糖尿病患者の血糖値を測定する際、指先から採血する時に使う針を除く器具本体の複数者使用であり、日本ではB型肝炎などの感染症の発生事例の報告はない」と指摘している。

 要望書では、予防的措置として器具の複数者使用を禁止した厚労省通知が、メーカーからの注意喚起を含め、多くの医療機関などに周知されておらず、その徹底を図ることや、器具の複数者使用を禁止する科学的な根拠を早急に示すことなどを求めている。


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