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2008年06月18日(水) 08時01分

鳩山法相下で死刑執行最多13人…秋葉原無差別殺傷を意識かスポーツ報知

 東京と埼玉で幼女4人が殺害された「連続幼女誘拐殺人事件」の宮崎勤死刑囚(45)の死刑が17日、東京拘置所で執行された。鳩山邦夫法相(59)下での死刑執行は昨年8月の大臣就任以降、4回計13人で過去最多。秋葉原の無差別殺傷事件直後の刑執行とあって「見せしめでは」との声も上がっている。

 鳩山法相による死刑執行は、昨年12月以降、今年2月、4月に続き4回目で計13人。一時中断されていた執行が再開された93年以降、最多だった長勢甚遠前法相の10人を超えた。今回、宮崎死刑囚、東京拘置所の陸田真志死刑囚(37)、大阪拘置所の山崎義雄死刑囚(73)の計3人が執行されたことで、確定死刑囚は102人となった。

 発表会見で鳩山法相は、終始硬い表情で「慎重の上にも慎重に検討した結果、絶対に誤りがないと自信を持って執行できる人を選んだ」と強調。「数日前に執行を命令した」ことを明かし、「正義の実現のためには粛々とやるのが正しいと信じている」と説明した。

 法務省によると、98年から07年までの死刑確定から執行までの平均期間は約8年。宮崎死刑囚は、確定から約2年4か月と短期間での執行となったが、鳩山法相は「慎重に検討した結果」と繰り返し、「たまたま従来より短くなっているということだろうと思う」と述べるにとどまった。

 一方、超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」の亀井静香会長は、会見で「死刑によって、国民の幸せにつながるものが生まれるのか。ベルトコンベヤーのように処刑していくのは異常事態だ」と強く抗議した。

 芹沢一也・慶大非常勤講師(社会学)は「オタクの象徴だった宮崎死刑囚にこのタイミングで刑を執行したのは、明らかに秋葉原の無差別殺傷事件を意識した判断だ」と指摘した。鳩山法相は、事件翌日の9日、「人の命を奪うような人にはそれなりのものを負ってもらうべきだ」と述べている。

 死刑執行には、国際的な批判も強いが、鳩山法相は「法の厳粛な執行のためには、そうした事情とは関係なく、粛々と執行するのが正しい」との見解を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080618-00000098-sph-soci