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2008年06月17日(火) 11時03分

幼女連続誘拐殺害の宮崎勤死刑囚ら3人の刑執行産経新聞

 法務省は17日、3人の死刑を執行したと発表した。3人の中には、埼玉県と東京都で昭和63年から平成元年にかけて4人の幼女が殺害された「幼女連続誘拐殺人事件」で誘拐、殺人罪などに問われた宮崎勤死刑囚(45)=東京拘置所在監=が含まれている。遺骨や犯行声明を遺族に送りつけるなどの手口で社会を震(しん)撼(かん)させた宮崎被告。平成18年の死刑確定からわずか2年での死刑執行となった。

【写真で見る】 宮崎勤死刑囚が事件当時生活していた部屋

 このほかに死刑執行されたのは、風俗店経営者ら2人を殺害した陸田真志(37)=東京拘置所在監、主婦ら2人を殺害した山崎義雄(73)=大阪拘置所在監=の2死刑囚。死刑の執行は4月10日に4人に対して行われて以来。鳩山邦夫法相になってからは4回目で、今回を含め計13人が執行された。
 確定判決によると、宮崎死刑囚は昭和63年8月22日、埼玉県入間市で4歳女児を乗用車に誘い入れ、東京都五日市町(現あきる野市)の山林に連れ去って首を絞め殺害。翌年2月に自宅裏庭で女児の骨などを砕いて焼いた。
 昭和63年10月3日には、埼玉県飯能市で7歳女児を車に誘い入れ、五日市町の山林で首を絞めて殺害。同年12月9日には、埼玉県川越市で4歳女児を車に誘い入れた上、車の中で首を絞めて殺害し、山林に遺体を遺棄した。平成元年6月6日にも東京都江東区で5歳女児を同様の手口で連れ去って殺害し、同月8日に自宅で女児の遺体を切断し、同月10日に霊園などに捨てた。
 犯行後、幼女の遺骨や「今田勇子」名の犯行声明を遺族に送りつけるなどした。さらに、遺体の一部を口にしたり幼女に対する性愛の嗜好など宮崎死刑囚の特異な人物像が、事件当時大きな注目を集めた。
 公判では、宮崎死刑囚の犯行時の精神状態が争点となった。精神鑑定が実施された1審東京地裁の公判では、(1)「人格障害」があっただけで精神障害はなく責任能力はある(2)「統合失調症」だが刑事責任を免れる部分は少ない(3)「多重人格」で完全な責任能力はない−とする3通りの鑑定書が出された。
 1審は「人格障害」とする鑑定を採用した上で、死刑判決。2審東京高裁も1審同様の責任能力を認める判断をした。上告審で、弁護側は統合失調症の可能性があると指摘。死刑判決を破棄して高裁への差し戻しを求めたが、最高裁は「記録を調査しても、被告に責任能力があるとした1、2審判決の認定は正当として是認することができる」と責任能力を追認し、上告を棄却した。

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