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2008年06月17日(火) 12時56分

“エコな州”カリフォルニアはぜんぜん環境にやさしくない? COURRiER Japon + hitomedia

全米有数のエコな州として知られるカリフォルニア。同州知事のシュワルツェネッガーは最近、温暖化会議で次のように発言した。
「カリフォルニアは地球儀の上では小さな点のようなもの。だが影響力という意味では、一つの大陸に匹敵する」
カリフォルニアは70年代以降、環境問題で先進的な取り組みを続けてきた。しかもその間、経済成長を続けながらも、人口一人あたりのエネルギー消費量はほぼ横ばい。他の州は、同時期で約50%も増加したというのに、だ。シュワルツェネッガーは「カリフォルニアこそ世界の未来を先取りしている」と鼻高々だ。
だが同州のエネルギー事情を見ると、必ずしも楽観はできないようだ。人口増加にともなうエネルギー需要増に対応できず、同州は00年と01年にエネルギー危機に見舞われた。
また、カリフォルニアは電力生産の多くを近隣の州に依存している。州内の電力の20%近くは、ネバダやユタ、コロラド、モンタナなど各州の石炭火力発電所から得たもの。オレゴンやワシントンの水力発電所からも多くの電力を輸入している。
環境問題に詳しいアナリストは、「カリフォルニアの政策は“エネルギー植民地主義”だ」と批判する。「ほかの州に、環境汚染の問題を押し付けているだけだ」
さらに、カリフォルニアの電力価格は全米平均のおよそ2倍。その結果、大企業の同州離れが進んでいる。インテルは昨年10月、同州の不安定な電力事情を敬遠して、アリゾナに大規模なマイクロチップ工場を建設した。またグーグルもカリフォルニア以外でサーバー基地を設立することを決めている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(USA)より。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080617-00000000-cou-int