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2008年06月17日(火) 08時01分

加藤容疑者、2分間で12人刺した…秋葉原無差別殺傷事件スポーツ報知

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、加藤智大容疑者(25)が12人を刺すために要した時間は、わずか約2分間だったことが16日、警視庁万世橋捜査本部による防犯カメラの解析などで分かった。事件で使用された「ダガーナイフ」は軍事目的に特化した殺傷能力の極めて高い両(もろ)刃の凶器。軍事評論家の神浦元彰氏は「早急にダガーナイフの販売を禁止すべき」と主張している。

 捜査本部の調べによると、加藤容疑者がトラックで交差点に突入したのは午後0時半ごろ。5人をはねた後、車から降りると約130メートルを移動しながら、ダガーナイフで通行人を襲い続けた。12人もの死傷者を出す惨劇は、わずか2分間の出来事だった。

 特別な訓練を受けたこともなく、際だった身体能力も持たないはずの容疑者が、なぜ短時間でこれだけの凶行を行うことが出来たのか。軍事評論家の神浦元彰氏は「ダガーナイフだからこそ可能だった」と指摘する。

 犯行に使用されたダガーナイフは戦場での使用を目的に考案されたいわば軍用品。光の反射で敵にナイフの存在が分からないよう刃が黒く塗られたものだった。事実、容疑者を取り押さえた巡査部長も、当初はナイフの存在に気づいていなかったという。

 ダガーナイフはもろ刃になっており、刃渡りは約13センチ。片刃のサバイバルナイフと比べ刃の切れ味は劣るが、突き刺して相手を殺傷する能力が高いという特徴を持つ。神浦氏は「普通のナイフの場合、腹部などを突き刺しても、それをまた抜くためには、かなりの力が必要。だが、このナイフはもろ刃。体内から抜くことも簡単にできる」と解説する。力のない老人や女性でも使用は可能という。

 現行の銃刀法では刃渡り16センチ以上の刃物を理由なく持ち歩くことを禁じているが、それ未満の場合、所持自体には規制がない。神浦氏は「ダガーナイフはアウトドアにも不向きだし、これといった使い道もないはず。規制しても問題はない」と主張。「次の凶行を防ぐためにも、早急な対応が必要です」とした。

 一方、加藤容疑者は調べに「数年前から秋葉原に通っていた」と供述していることも判明。知人らによると、今年のゴールデンウイークにも泊まりがけで遊びに行き、メイドカフェやパソコン関係の店を訪れていたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080617-00000081-sph-soci