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2008年06月17日(火) 15時00分

加藤容疑者「親は他人だ」=好悪、憎しみ超える−「社会が悪い」・秋葉原殺傷時事通信

 17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された派遣社員加藤智大容疑者(25)が警視庁万世橋署捜査本部の調べに「親は嫌いとか憎しみを超えており、他人だ」「社会が悪い」と供述していることが17日、分かった。
 捜査本部は親との確執が根源的に存在する中、自己中心的な考えで周囲への不満を募らせて事件を起こした疑いがあるとみて調べている。
 調べに対し、同容疑者は親や職場などについて不平・不満を並べ、「社会が悪い」と供述。特定の名前を挙げ「周囲が悪い」という趣旨の話もする。自分の置かれた境遇の責任を転嫁するような言葉が目立ち、自ら逆境を乗り越えようとする考えもみられない。
 特に、親に対しては「好き嫌いとか憎しみという感情を超越した存在だ」と振り返った上で「他人だ」と明言するという。
 親族によると、同容疑者は小学校時代は明るくて活発だった。両親は教育熱心で、周囲の干渉を好まず、同容疑者は小、中学校時代は言うことを聞いて育った。
 青森県内有数の高校に入学。当初は「北海道大学に行きたい」と語ったが、その後は劣等感を募らせたようだという。
 親族は「両親が『高校に入り、成績が下がった。言うことを聞かなくなった』と話していた。過度に接するから疲れた部分もあるのではないか」と指摘している。
 同容疑者が書き込んだ掲示板サイトには「息子を自慢したいから、完ぺきに仕上げた。作文は親の検閲が入っていた」「中学生のころには親の力が足りなくなり、捨てられた」との内容が記されていた。 

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080617-00000074-jij-soci