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2008年06月17日(火) 13時01分

岩手・宮城内陸地震:広がる被害、集計急ぐ 知事「早く激甚申請を」 /宮城毎日新聞

 ◇臨時議会検討
 「岩手・宮城内陸地震」は16日、生き埋め状態での生存率が急速に低下するとされる被災後72時間まであと1日を切り、人的被害が集中している栗原市を中心に必死の救助活動が続けられた。「人命救助」が中心で、「被害状況の把握」はまだ緒に就いたばかり。村井嘉浩知事は会見し、被災地の復興支援で国の援助が受けられるようになる「激甚災害」の指定申請に関し、「時期は決まっていないが、できるだけ早く申請したい」と述べた。【青木純、藤田祐子、伊藤絵理子、比嘉洋】
 ◇現時点、復旧予算38億円余で対応
 村井嘉浩知事は同日午前、定例の会見を予定通り実施。今回の地震の被害額について「総額の把握はまだできていない。道があれだけ寸断されており、かなりの額になるだろう」と説明。激甚災害指定申請に関し「時期は決まっていないが、できるだけ早く申請したい」と述べた。
 17日始まる県議会6月定例会には、災害対応のための補正予算上程は見送ることを表明。「被害把握が間に合わない。9月定例会前に(予算を組むための)臨時議会開会も検討したい」とし、現時点では当初予算に計上した「災害復旧事業費」(約38億9800万円)を災害対応に充てる意向を示した。
 県の午後5時現在のまとめでは、今回の地震による県内の重傷者は28人、軽傷者は179人。断水している世帯数は栗原市の▽栗駒▽花山▽鶯沢——で計1980世帯、大崎市の鳴子上原で68世帯。栗原市内では257戸で停電が続き、電話不通も119回線で続いている。
 また、同日現在、栗原・大崎両市で国道2カ所、県道6カ所が通行止めのままとなっている。このうち国道398号は自衛隊により、車線を確保する作業が進行中。一方、沿道に駒の湯温泉や栗駒ダムがある「県道築館栗駒公園線」は、早期の復旧が困難と判断。県は近くの市道を活用し、迂回(うかい)路を整備する方針で検討を進めている。
 教育施設への被害も深刻で、県教委によると、県内15自治体の計103校で施設に損傷が見つかった。16日に市内の全公立校で休校措置を取った栗原市は、17日も市立の▽花山幼稚園▽花山小▽栗駒小耕英分校▽花山中——が休校となる。うち栗駒小耕英分校は、授業再開のめどは立っていないという。
 また、県の災害対策本部に仙台管区気象台から入った連絡によると、16日午後時点で、20日に被災地周辺でまとまった量の雨が降る可能性があるという。

6月17日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080617-00000051-mailo-l04