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2008年06月16日(月) 13時55分

夜間休日の救急、医師2人以下が7割医療介護CBニュース

 入院を必要とする救急医療を担う医療機関(二次救急医療機関)の中で、休日と夜間の診療体制が医師2人以下となっている医療機関が全国で7割に上ることが、厚生労働省の調査で6月16日までに明らかになった。

【二次救急医療機関の夜間と休日の医師体制詳細】


 調査は、複数の病院が当番制で休日・夜間の診療を行う「病院群輪番制」に参加している病院と、拠点となる病院が施設を開放し、地域の医師の協力を得て診療体制を確保している「共同利用型病院」を対象に実施。全国3108か所の二次救急医療機関から回答があった。

 当番日の勤務医師数では、「1人」が1331施設で全体の42.8%を占め、「2人」の872施設(28.1%)と合わせ、全体の71%に当たる2203施設が、休日と夜間の医師体制が2人以下になっていた。「3人」は319施設(10.3%)、「4人以上」は539施設(17.3%)だった。

 また、一施設が当番時間内に受け入れた患者数は全国平均で20.3人、うち入院患者数は3.8人。医師一人当たりの患者数は全国平均7.6人、うち入院患者数は1.4人にとどまった。この結果から、二次救急医療機関は本来、入院治療を行う医療機関として位置付けられているものの、実態としては外来患者の割合が多いことが裏付けられた。

 このほか、一施設当たりの救急搬送患者数は、都道府県によって大きなばらつきがある上、同一都道府県内でも、救急車を数千台受け入れている施設から、ほとんど受け入れていない施設まで、かなりの開きがあった。
 大阪府では、年平均1363.3人を受け入れているが、最高で7758人、最低で5人。東京都でも同1531.9人に対し、最高で7337人、最低で49人だった。

 厚労省では今後、医師の休日・夜間の病棟業務との兼務の状況や、宿日直体制か交代制かなどの勤務の状況なども調査する予定。





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