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2008年06月16日(月) 18時57分

「岩手・宮城内陸地震」で日赤が救護活動医療介護CBニュース

 岩手県南部を震源地に震度6強を記録した「岩手・宮城内陸地震」で、日本赤十字社が現地で救護活動を展開している。これまでに本社(東京都港区)と12都県支部の救護班などを派遣するとともに、被災地に仮設診療所「dERU」を開設。医師や看護師らが搬送されて来た被災者の診察などに当たっている。

 同地震は14日午前8時43分ごろ発生した。岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強を観測。総務省消防庁の16日午後2時45分現在の調べによると、死者10人、行方不明12人、負傷者242人などの被害が出ている。日赤の施設では、仙台赤十字病院などの建物に一部損壊の被害があった。

 日赤では、岩手県支部が14日午前9時10分、宮城県支部が同9時15分、本社が同9時半に、それぞれ災害救護実施対策本部を設置。宮城県支部が同11時25分、温泉旅館が倒壊するなどの被害が出ている栗原市へ先遣隊を送ったのを皮切りに、本社と12都県の支部が救護班などを派遣している。

 山間部で孤立した被災者約200人がヘリコプターで次々と搬送された栗原市では、宮城県支部の救護班(医師4人、看護師8人、薬剤師2人、救護員5人)が着陸地点の花山中学校で待機。被災者の健康状態を確認した後、避難所となった栗原市役所花山支所と花山中学校体育館への搬送に当たっている。体調が悪い被災者に対しては、避難所前の駐車場に設置したdERUで診察活動を行っている。

 日赤本社のまとめによると、地震発生初日の14日には、岩手県支部が84人、宮城県支部が22人の計106人の患者に救護活動を行った。
 救援物資については、岩手県が毛布100枚と、枕やアイマスク、耳栓などをそろえた「安眠セット」を120人分、宮城県支部が毛布、安眠セット、懐中電灯やラジオなどの「緊急セット」を各100人分、それぞれ配布。両県支部の災害ボランティアなどが救援物資の搬送や炊き出しなどを支援している。

 日赤本社では今後、被災者の心のケアに関する活動も計画している。


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