記事登録
2008年06月16日(月) 12時00分

「思想」ってジャンルは一体どういうものなの?R25

思想書として好調な売れ行きを示している『思想地図』という本がある。これをR25編集会議で紹介したときに、ふとこんな質問をされた。

「思想って、つまりどういうものなの?」…答えられず。そのため、早速調査を開始。

まず、これと似たイメージの言葉に「哲学」があるが、ものの本によれば、このふたつは一応区別されるようだ。ごく簡単にいうと、「哲学」というのは基本的に「なぜ?」「なに?」をとことん突き詰めていく態度のこと。例えば「自分とはなにか?」「なぜ生きるのか?」といった具合に、ひたすら物事を疑いながら考え続けていく。

それに対し「思想」は、その人の主義・主張を、他者に向けて論理立てて説明していく態度、といえる。そして、例えば「日本はこうあるべきだ」「地球環境はこうあるべきだ」といった具合に、個人の内面にとどまるものではなく、ある程度の「社会的な広がり」を持つものと想定される。

それでは、日本での思想とはどういうものなのか? 『思想地図』の著者である、思想家の東浩紀氏にお話をうかがった。

「思想というと、50〜60年代は一般的にマルクス主義を指す言葉でした。70年代以降になると、マルクス主義が衰退し、“思想”の意味もあいまいになる。しかし、若者たちの間には『思想=カッコいい』といった風潮が残り、80年代の好景気のさなかに資本主義批判をするのがカッコいい、といった具合にファッションと化していく。『ニューアカデミズム』と呼ばれる大きな“思想ブーム”も起きました」

そして現在はというと、ワーキングプアなど格差や貧困をめぐる状況が問題視され、「この社会をどうすべきか?」という“思想的”議論が再び熱気を帯びているという。『思想地図』の他にも、『ロスジェネ』(かもがわ出版)や『M9』(晋遊舎)といったオピニオン誌の創刊も相次いでいる。

R25世代も他人事じゃないわけで…たまには思想について頭をめぐらせてみるのも大事かも。
(R25編集部)

思想を考えるうえで読んでおきたい総合誌を見る

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

【関連記事】
解凍後も鮮度が変わらない!?日本の冷凍技術最前線  (2007.08.23)
ぶっ飛んだ見出しと記事の新聞東スポの秘密をさぐってみた!  (2007.09.13)
実際、レースクイーンって何をやってる人たちなの?  (2008.05.08)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000006-rec_r-ent