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2008年06月16日(月) 12時34分

秋葉原殺傷 突入から逮捕まで2分間で17人襲う 容疑者毎日新聞

 東京・秋葉原の17人殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された加藤智大容疑者(25)がトラックで交差点に突っ込んでから警察官に取り押さえられるまで、約2分間しかなかったことが分かった。刺された場所は交差点付近に集中していることも判明しており、警視庁万世橋署捜査本部は加藤容疑者が、ごく狭い範囲で逃げる時間を与えることなく次々とダガーナイフ(短剣、刃渡り約13センチ)で被害者を襲ったとみて調べている。

 捜査1課によると、加藤容疑者は8日午後0時半ごろ、トラックで千代田区外神田1の交差点に赤信号を無視して突進、5人をはねた。トラックを降り交差点付近で通行人12人を刺した後、追いかけてきた警察官に逮捕された。トラックを降りた地点から、逮捕される場所までは約170メートルの距離だった。

 これまでは、交差点突入から加藤容疑者が取り押さえられるまでの時間は約5分間程度とみられていたが、捜査本部が周辺の防犯カメラや目撃者の情報を分析した結果、人をはねたのは午後0時33分ごろで、同35分には身柄を確保したことが分かった。警察官と加藤容疑者が対峙(たいじ)していた時間も数十秒はあるとみられ、被害者を襲っていた時間は1分に満たない可能性もあるという。

 一方、加藤容疑者は事件前、静岡県裾野市の勤務先の同僚に「静岡には借金から逃れるために来た」と話していたことが分かった。金銭面で悩みを抱えていたところに、解雇の可能性が出たため自暴自棄になった疑いもあるとみている。

 同僚によると、加藤容疑者と車の話題で盛り上がった際、「車は何回か買い替え、改造も何度かした。数百万の借金がある」などと話した。「改造した車で青森の峠をドリフト走行した」などと楽しそうに話していたという。【川上晃弘、佐々木洋、神澤龍二】

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