記事登録
2008年06月16日(月) 19時58分

「ひどい環境」F1GPで観客ついに損賠請求産経新聞

 富士スピードウエイ(FSW、静岡県)で昨年9月に開催されたF1日本GPのずさんな運営で精神的苦痛を受けたとして、観客109人がFSWを相手取り、チケット代の返還や慰謝料など計約3200万円の損害賠償を求める訴訟を16日、東京地裁に起こした。原告は「F1は誰もが安心して参加できるイベントのはず。いかにひどい環境だったかを訴えたい」と話している。

 訴状によると、昨年の日本GPはFSWが運行するシャトルバス以外での会場への入出場が禁止された。しかし、原告の一部は、会場周辺の渋滞でシャトルバスが時間通りに到着せず、レース前半を観戦できなかった。帰りも悪天候の上にトイレなどが整っていない中、シャトルバスを長時間待たされたと指摘。連日の混乱で、決勝の観戦をあきらめた原告もいた。原告は、会場やバスの管理でFSWに過失があったためトラブルが発生、精神的苦痛を受けたと主張している。

 昨年の日本GPは、ほかにも一部の指定席からレースが見えないなどのミスが続出した。FSWは、決勝開始までに入場できなかったと認定した観客54人にチケット代を全額返還、レースが見えなかった指定席(6万1000円)の観客7100人に自由席との差額5万円を返還した。

 FSWによると、今年は客席を減らすなどして決勝日の入場者数を昨年より3万人少ない11万人で開催。昨年同様、移動手段をシャトルバスに限定するが、バス増発を決めたほか、トイレの増設を検討している。

 FSWの話「訴状を確認した上で弁護士と相談し、適切に対応したい」

【関連記事】
十分に観戦できず苦痛 昨年のF1観客が提訴へ
富士Sが観客の満足度で名誉挽回へ…08年日本GP
昨年の大混乱でF1計画を大幅見直し 富士スピードウェイ
トヨタ副社長が謝罪 F1日本GPトラブルで
F1でハミルトン選手の車とホリネズミ ひやっとした?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080616-00000941-san-soci