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2008年06月15日(日) 13時19分

鉄道今昔、生糸運搬から首都圏の大動脈へ──JR横浜線が開業100年!オーマイニュース

 JR横浜線が今年9月23日で開業から100周年を迎え、横浜線の各駅には100周年を告知するフラッグや横断幕が掲げられています。

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 横浜市神奈川区の「東神奈川駅」を起点として、東京都八王子市の「八王子駅」までを結ぶ総延長42.6Kmの路線です。1908年に「横浜鉄道」という私鉄として開業したのが始まりで、その当時は八王子や信州で生産された生糸を横浜へと運搬することを目的としていました。

 横浜線はベイエリアの横浜市内から丘陵地帯を走り、相模台地〜多摩丘陵〜八王子盆地へと向かいます。途中にはトンネルや連続勾配もあり、山越え路線の風情をたたえます。そんなローカルな路線でありながら、昔とはすっかり様変わりしています。

 首都圏の通勤路線として利用者が増加し、朝夕の混雑ぶりは山手線並みのラッシュアワーと化します。中でも新横浜駅は新幹線と市営地下鉄ブルーラインとが接続。日産スタジアムや横浜アリーナで催しがある日には原宿や渋谷にもまさる混雑ぶりです。また、横浜線は稀に見るほど他線との接続が多い路線です。

 東神奈川駅(JR京浜東北線)、菊名駅(東急東横線)、新横浜駅(新幹線・市営地下鉄)、鴨居駅(市営地下鉄)、中山駅(市営地下鉄)、十日市場駅(東急田園都市線)、長津田駅(こどもの国線)、町田駅(小田急小田原線)、相模原駅(JR相模線・京王電鉄相模線)、片倉駅(京王電鉄高尾線)、八王子駅(JR中央本線)……。こう数えただけでも、途中の11駅から他線に乗り換えることができます。東西南北、縦横無尽に人々を運びます。

 沿線の主要駅には、駅ビル、大型ショッピングセンター、娯楽施設が次々にオープンし、巨大なベットタウンとして発展し続けています。このほか、よこはま動物園ズーラシアやこどもの国など子供たちが思い切り飛びまわれる場所がふんだんにあります。

 利用する車両も時代と共に変わりました。昔懐かしいチョコレート色の73形電車を覚えている方も多いでしょう。妙に記憶に残る電車であったと思います。車両の変遷をみると、2100系蒸気機関車(開業当時)→73形電車(1952年〜1979年)→103形電車(1972年〜1989年) →205形電車(1988年〜現在)で、現在はステンレス車体の205形電車0番台車が使用されています。

 それぞれ特徴ある車両が、記念フラッグと横断幕にモチーフとして使われています。

 これからも各駅の整備(特別清掃、待合室設置、ベンチの取替え、トイレの改修など)に加え、ジョイフルトレインの臨時列車運行、歴史写真の展示、記念グッズ販売、抽選会等盛りだくさんのイベントが計画されているそうです。

 今年で100周年を迎えるJR横浜線、これからの活躍を大いに期待したい思います。

(記者:宮本 聰)

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