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2008年06月15日(日) 00時17分

工事現場、磯釣り、事故、落石…地震による突然の死読売新聞

 宮城県栗原市内の工事現場で、土砂崩れに巻き込まれた五十嵐正巳さん(54)(山形県鮭川村)、門脇義富さん(53)(同)は、午後7時過ぎに土砂の中から発見されたが、死亡が確認された。

 崩壊した山は、高さ約120メートル。栗原市消防本部や居合わせた作業員などによると、五十嵐さんらは山の頂上部分に登り、崩壊防止のネットを張るため約110メートルの高さでロープにつられた状態で作業していた。

 14日夕から、仙台市消防局のレスキュー隊など数十人が捜索に当たったが、数分おきに余震が発生。その度に小石が斜面を転がり落ち捜索は難航した。

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 福島県いわき市勿来町の会社員石井道隆さん(55)は、釣り仲間と磯釣りを楽しもうとした矢先、地震による土砂崩れに巻き込まれて亡くなった。妻の初枝さん(55)は「登山やゴルフもして、たくましくて、不死身と思えるほどの人でした。15日の父の日には、2人の娘とゴルフウエアをプレゼントしようと考えていたのに」と声を詰まらせた。県警によると、石井さんが釣り場に移動を始めた直後、真上のがけが幅20メートルにわたって崩れ、岩の直撃を受けた。海に転落した石井さんを仲間が船に収容したが、即死状態だったという。

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 地震に驚いて道路に飛び出し、トラックにはねられて死亡した岩手県一関市東山町松川、千葉友三さん(60)は同市内で金型の会社を経営していた。

 明るい人柄で、地域の運動会などにも参加するスポーツマン。工場を拡大する計画があったといい、近所に住む友人は「意気盛んだったのに」と話していた。

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 胆沢ダムの工事現場で落石に遭った岩手県滝沢村大釜、作業員千葉正彦さん(48)は、搬送先の同県奥州市内の病院で死亡した。午後2時ごろ、自宅に死亡の一報が入ると、親族の女性(18)は「信じられない」と泣き崩れた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080615-OYT1T00016.htm