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2008年06月14日(土) 00時00分

岩手・宮城地震:宮城県栗原市、秋田県湯沢市などで携帯電話障害読売新聞


NTTドコモのiモード災害伝言板での例。電話がかかりにく状況であっても、サイト経由で安否を登録・確認できる

 14日午前に発生した岩手・宮城内陸地震では、携帯電話や一般電話がかかりにくい状況になった。電話での呼び出しはせず、各携帯サイトの災害伝言板を使って安否を確認しよう。(テクニカルライター・三上洋)

宮城県栗原市・秋田県湯沢市などで基地局ダウン

 14日に起きた岩手・宮城の大地震で、携帯電話のサービス障害が発生している。

 NTTドコモによれば14日11時現在、宮城県北部と秋田県南部で一部障害が出ている。宮城県栗原市(栗駒町)と花山村で3局、秋田県湯沢市で1局の基地局がダウンしているためだ。原因は「物理的な破壊ではなく、途中の伝送路に障害があるため(NTTドコモ)」とのことで、現在復旧作業中だ。また他の基地局でも停電のために非常用バッテリーに切り替わっているところがあるそうで、今後さらに基地局のダウンが拡大する可能性もある。

 au(KDDI)では、震源地近くの10局程度の基地局に障害が出ている模様だ。「状況は調査中だが、サービス中断しているエリアがあるかもしれない(au)」とのことで、一部エリアでは携帯電話が使えない可能性がある。

 ソフトバンクでは11時30分現在で、宮城県栗原市と岩手県北上市の一部に障害が出ている。

 以前の記事「巨大地震に備える:災害時に携帯電話を使う5つのポイント」でもとりあげたが、大規模災害時には発生から数時間たってから携帯電話のサービスが中断する場合がある。停電が起きた場合に非常用電源に切り替わるが、数時間後には非常用電源が切れてしまうためだ。そのため、今後さらに携帯電話が使えないエリアが広がるかもしれない。

震度6強の地震で、NTTドコモは87.5%の発信規制

 現地へかける携帯電話や一般電話はつながりにくい状況になっている。岩手県・宮城県・秋田県などへの安否確認の電話が殺到しているためで、「現在かかりにくい状況になっています」というアナウンスが流れている。

 NTTドコモによれば、14日10時現在で宮城県・岩手県において、FOMAとmovaで87.5%の発信規制をかけている。宮城県・岩手県からの電話発信を規制するもので、回線のパンクを防ぎ、重要な公共利用の電話を確保するためだ。

 au(KDDI)では、地震発生当初に宮城・岩手・青森で、最大80%の発信規制をかけたが、10時30分現在で徐々に緩和されてきているとのことだ。ただし現地への電話は、依然としてかかにくい状況になっている。

 ソフトバンクでは、地震直後は3G(第三世代)サービスで最大70%の規制をかけていたが、14日11時には解除されている。基地局の状況は現在確認中とのことだ(14日11時)。

 音声の電話はとてもかかりにくい状況な上に、何度も電話をかけるとさらに混雑してかかりにくくなる。音声の電話はかけず、各ケータイ会社のトップページから見られる災害伝言板を利用しよう。

8時29分にiモード災害伝言板スタート

相手の電話番号を入れても安否が登録されていない場合は、「安否を登録してください」という依頼メッセージを送信可能。電話番号だけで相手に届く

 各携帯電話会社ではケータイサイトを使った災害伝言板をオープンさせている。各携帯電話会社のトップメニューに「災害伝言板」が表示されている。


iモード災害伝言板のトップページ。相手の電話番号を入れて安否を確認する。他社の携帯電話の場合は、他社の災害伝言板へリンクされる

 NTTドコモのiモード災害伝言板を例に取ると、安否を確認したい人は相手の電話番号を入力する。安否が登録されていない場合は「メッセージを送りますか?」という表示になるので、「メッセージを送る」を選ぼう。すると相手の携帯電話に「災害伝言板に安否の登録をお願いします」とのSMS・ショートメッセージ(簡易メール)が届く。

 他社の携帯電話の番号だった場合は、他社の災害伝言板への飛べるようにリンクが張られるので、au・ソフトバンク・ウィルコムの携帯電話へのメッセージも登録可能だ。

 岩手・宮城・秋田県などの被災地にいる人は、自分の安否をできるだけケータイサイトの災害伝言板へ登録しよう。災害伝言板に「無事です」などのメッセージを登録しておけば、電話番号を知っている人なら誰でも安否を確認できるからだ。音声の電話利用は極力避けて、各携帯電話会社の災害伝言板を利用しよう。

http://www.yomiuri.co.jp/net/security/goshinjyutsu/20080614nt01.htm