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2008年06月14日(土) 10時22分

東北地震の発生メカニズム、四川大地震と酷似産経新聞

 14日午前に発生した岩手県内陸南部の深さ約10キロを震源とする強い地震について、政府の地震防災対策強化地域判定会委員も務める日本大学文理学部地球システム科学科の吉井敏尅教授は、「発生メカニズムが中国・四川大地震とよく似ている」と指摘した。

 吉井教授は今回の地震について、「内陸の浅い所を震源とする地震で、逆断層型と考えられる。震源地の北方には大きな逆断層帯があるため、その延長となる逆断層が縦ずれを起こしたのではないか」と分析。

 東北地方では逆断層地震がよく発生するといい、吉井教授はそのメカニズムについて、「東北地方は、日本列島を乗せたユーラシアプレート(岩板)が、東側から押してくる太平洋プレートに押されて歪(ひず)みがたまりやすい。この歪みが限界を超えると、逆断層がずれて地震が発生する」と解説。「四川大地震の発生メカニズムと非常によく似ている」とも指摘する。

 今回の地震は、規模がマグニチュード(M)7・0と非常に大きい。防災科学技術研究所の岡田義光理事長によると、「逆断層型地震の頻発地帯ではあるが、これほど大規模なものはまれ。M7を超える地震は、今回の震源の少し北の秋田、岩手県境を震源にM7・7の陸羽地震が明治29(1896)年にあったぐらいだろう」という。

 岡田理事長は、「1週間程度は震度4から5程度の大きな余震が発生する可能性がある」とも指摘。「周辺の地域ではしばらく、十分な注意が必要だ」と話している。

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