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2008年06月14日(土) 10時28分

活断層ずれる?震源付近に「北上低地西縁断層帯」読売新聞

 14日に起きた岩手・宮城内陸地震は、深さ約8キロ・メートルという内陸の浅い場所を震源としており、地下の活断層がずれたものとみられている。

 筑波大の八木勇治准教授は今回の地震を引き起こした断層について、長さ約20キロ・メートルにわたる断層が約10秒かけて動いたとする分析結果をまとめた。

 断層の幅は約10キロ・メートル。深さ6〜8キロ・メートルの部分から破壊が始まり、断層のズレは地表付近で最大になり、ずれた量は約4メートルに達するとみられる。断層のズレは地表でも確認できる可能性が高いという。地表近くで大きなズレがあったことが、被害拡大につながったとみられる。

 岩手県西部には、南北約60キロ・メートルにわたる「北上低地西縁断層帯」と呼ばれる断層地帯がある。この断層の南の部分が約24キロ・メートルの「出店(でたな)断層」と呼ばれ、震源の北東部まで延びていることが確認されている。岩手県は、阪神大震災後に活断層調査委員会を設置して内陸部の活断層を調査、2001年6月に評価をまとめている。

 出店断層では、大きな地震が近年に起きた記録はなく、調査でも活動間隔ははっきりしなかった。同断層で想定される地震の規模はマグニチュード7・3だが、300年以内に発生する確率はほぼ0%と評価している。

 今回の地震について、防災科学技術研究所地震観測データセンターの小原一成センター長は「東西方向に圧縮されてひずみがたまった逆断層の地震だ。この周辺では過去にも浅い震源の地震が起きており、内陸の地震活動が活発な一種のひずみ集中帯のような地域だ」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080614-00000006-yom-soci