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2008年06月14日(土) 12時04分

<岩手・宮城内陸地震>生活直撃 停電2万戸超、道路寸断…毎日新聞

 地震の影響で、岩手県などの7発電所が停止し、2万戸以上が停電した。新幹線がストップし乗客約2000人が車内に閉じこめられたり、橋が崩落し道路が寸断されるなど生活を直撃した。

 ■電気・水道

 経済産業省によると、午前10時現在、栗原市など宮城県内で1万9983戸、岩手県内で2164戸の計2万2147戸が停電した。午前11時現在も約1万8000戸が停電中。東北電力によると、岩手県などにある水力6カ所、秋田県の地熱1カ所の計7カ所の発電所が停止した。

 岩手県金ケ崎町によると、水道管が破裂し道路が冠水、一部で断水している。宮城県大衡村の工業団地では水道管から漏水し、同県登米市でも24戸が断水している。

 ■電話

 宮城県栗原市で95世帯の加入電話が不通になっている。携帯電話では、NTTドコモの基地局4局に被害はあるが不通になっているエリアはない。ただ宮城県内からの発信は規制している。auも目立った被害は無いが、同県内で発信を規制している。

 ■鉄道

 JR東日本によると、午後1時現在、東北・山形・秋田の3新幹線は全線で運転を見合わせている。脱線はなく、けが人もいない。下り「はやて・こまち1号」(乗客約1000人)と上り「はやて・こまち4号」(同750人)が仙台−古川間で、上り「やまびこ46号」(同300人)が一関−水沢江刺間で、乗客を乗せたまま停車した。

 このうち、やまびこ46号は地震直後、岩手県一関駅の3キロ北でストップし、約3時間後、やっと乗客を線路に降ろして避難誘導した。「はやて・こまち」2両の乗客は、午後1時現在も閉じこめられたままになっている。

 東北新幹線は東京−仙台間が午後復旧する見込みだが、仙台−八戸間は線路を点検するだけで夕方までかかり、運転再開の見込みはたっていない。

 在来線は岩手、宮城、秋田、山形、青森の5県で運転を見合わせたが、一部は運転を再開した。

 ■道路

 岩手県一関市の(祭畤まつるべ)大橋が崩落したり、宮城県栗原市の国道398号で土砂崩れが発生し、秋田県境までの約20キロが通行止めになった。

 高速道路は東北道の福島飯坂IC(インターチェンジ)−花巻IC、秋田道の北上JCT(ジャンクション)−横手IC、山形道の村田JCT−山形蔵王ICなどの各区間で、通行止めになった。

 ■空

 空の便は青森、三沢、花巻、福島、仙台など9空港が点検のために一時閉鎖されたが、午前9時45分までに運航を再開した。日本航空によると、午前8時50分に花巻空港に着陸予定だった中部国際空港発の3161便が滑走路の揺れのため上空で旋回。約15分遅れで着陸した。【工藤哲、高橋昌紀、奥山智己】

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