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2008年06月14日(土) 16時07分

岩手・宮城内陸地震 付近の活断層が関係か産経新聞

 北米プレート(岩板)に乗っている東北地方の太平洋側は、西へ移動する太平洋プレートによって常に押されている。今回の岩手・宮城内陸地震は、このプレート移動の影響で地盤が東西に圧縮され、片側の地盤が乗り上げる逆断層型の地震だった。震源地のやや北には、同じ仕組みで起きる「北上低地西縁断層帯」という活断層があり、今回との関連が注目される。

 岩手県の内陸部では、北上盆地と奥羽山脈の境界に沿って、複数の活断層が南北に伸びている。今回の震源地付近で明らかな活断層は見つかっていないが、「地形的にはあってもおかしくない」(気象庁幹部)という。

 震源地の北には、政府の地震調査委員会が国内の主要な活断層として評価した北上低地西縁断層帯がある。同断層帯の南端が地表の下に隠れ、震源地付近まで伸びていた可能性も否定できない。

 地震調査委による平成13年の長期評価によると、同断層帯は長さ62キロの逆断層で、過去3万年間に少なくとも2回活動。最新の活動時期は4500年前だった可能性がある。同調査委は今後30年間にマグニチュード(M)7・8程度の地震が発生する確率を「ほぼ0%」と評価していた。

 この評価は同断層帯の全体が一度に動く場合を想定したものだが、岩手県は昨年、同断層帯を南北の2つの区域に分けた調査結果を公表。それによると、今回の震源地に近い南部の「出店断層帯」はM7・3の地震が想定され、最新活動時期や活動間隔は「不明」とされていた。

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