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2008年06月14日(土) 20時31分

「心細かった」=孤立住民ら、ヘリで救助−観光客も足止め・栗駒山周辺時事通信

 岩手・宮城内陸地震で、道路が寸断されたため取り残され孤立した両県にまたがる栗駒山周辺の地域住民や観光客らが14日夕、海上保安庁などのヘリコプターで救助され、宮城県栗原市栗駒岩ケ崎の市民センター「みちのく伝創館」に相次いで避難した。
 周辺の道路がすべて通行止めとなり孤立した同市の耕英地区。鈴木共明さん(84)は妻(78)と共に家を離れた。倒壊は免れたものの、家の中は家具が壊れ、足の踏み場もない状態に。余震が続いたため、庭先で救助を待った。「地鳴りがした後ドンと来た。道路を全部やられちゃ病院にも行けないから心細かった」。避難し、やや安心した様子で話した。
 日帰り温泉を楽しむため、栗駒山を車で訪れていた仙台市宮城野区の会社員国府寺正之さん(39)は、山頂付近の水飲み場で仮眠していた際に地震に襲われた。「下からドーンと突き上げられて飛び起きた。わき水が茶色く濁ってきたので危ないと思った」と興奮気味に語った。
 周辺道路のアスファルトが山の形に盛り上がり、あちこちに亀裂が入っていたため、車で引き返すのを断念。しばらく徒歩で下山を試みたが、道路が完全に陥没しており、身動きが取れなくなったため、群馬県から旅行に来ていた観光バスの乗客約30人やほかの登山客約15人とともに路上で救助を待った。
 国府寺さんは「みんなでお菓子を分け合った。服を貸し合って雨をしのいだ」と話した。 

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