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2008年06月14日(土) 20時40分

<岩手・宮城内陸地震>新幹線に9時間半閉じ込め 道路寸断毎日新聞

 断水、停電、鉄道・道路の寸断……。14日朝の岩手・宮城内陸地震で傷ついたライフラインは、夜になっても復旧しなかった。

 ■鉄道…145本が運休     

 JR東日本によると、緊急停止した3本の東北新幹線のうち、最後に乗客を降ろしたのは「はやて・こまち1号」(乗客約1000人)。仙台−古川間で緊急停止してから約9時間半後の午後6時7分、仙台駅に戻り乗客を降ろした。一時不通になった山形、終日全線がストップした秋田の各新幹線を加え計145本が運休した。上越、長野各新幹線の遅れも併せると、計11万7000人に影響した。

 在来線は、福島、岩手、宮城、秋田、山形、青森の6県で一時運転を見合わせた。ほとんどは夜までに復旧したが、陸羽東線だけが古川−新庄間で終日運転を取りやめた。15日始発から再開する。

 ■電気・水道…水力発電所6カ所が停止のまま  

 東北電力によると、稼働を停止した8カ所の発電所のうち、宮城、岩手、秋田県の計6カ所(いずれも水力)は停止したまま。最大で一時約2万9000戸に及んだ宮城・岩手両県の停電のうち、約343戸は夜間も復旧しなかった。

 水道は宮城県栗原市で約2400戸、大崎市で318戸が何らかの被害を受けており、栗原市では給水車が出動している。岩手県奥州市で約500戸、山形県舟形町で約180戸が断水している。

 ■道路…国道の28地点で土砂崩れなど被害    

 国土交通省によると、国道の28地点で土砂崩れや路肩崩壊、橋の崩落などの被害が確認された。警察庁のまとめでは岩手、宮城、秋田の3県の県道を含めた通行止めは計19カ所に及んでいる。

 ■電話…栗原市で不通エリア残る   

 固定電話は夜になっても宮城県栗原市で119回線が不通のまま。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの携帯3社によると、栗原市の5基地局が復旧せず、一部に不通エリアが残っている。

 ■ガス…10件のガス漏れ     

 経済産業省によると、岩手・宮城両県で計10件のガス漏れが確認された。うち7件は修理して復旧し、残る3件は元栓を閉めて供給をストップした。

 ■ダム…石淵ダムでひび割れ     

 ダムの損傷も明らかになった。国交省によると、震源地から約10キロ離れた北上川水系の石淵ダム(岩手県奥州市)で、上部にうねりやひび割れ(長さ2〜3センチ)が見つかった。水が漏れ水位が上昇すると危険なため、緊急放流している。【高橋昌紀、工藤哲、市川明代、前川雅俊】

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