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2008年06月14日(土) 23時06分

岩手・宮城地震で首相、細かい指示次々…危機管理能力アピール読売新聞

 政府は14日、岩手・宮城内陸地震の発生直後に、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。被害の確認や被災者の救助活動の指示など対応に追われた。

 福田政権発足後、初めて直面する大規模地震に対し、福田首相は2度危機管理センターを訪れ、夜間も救助活動を続けるよう指示するなど、危機管理能力をアピールした。

 首相は地震発生7分後の午前8時50分、官邸に隣接する首相公邸で首相秘書官から一報を受けると、「被災状況の早期把握、迅速な広報、被害者などがある場合は救助に全力を挙げるように」と指示。午後1時には官邸に足を運び、官邸対策室で陣頭指揮にあたった。

 公邸に滞在中も伊藤哲朗内閣危機管理監から断続的に報告を受け、午後3時過ぎには、「現地では日没が迫っている。警察、自衛隊などのヘリコプターを効果的に運用し、状況把握に努め、救出活動に全力を挙げてほしい」と指示を重ねた。

 泉防災相を団長とする政府調査団は14日午後、ヘリで岩手県一関市に入り、土砂崩れ現場などを視察した。15日には冬柴国土交通相も被災地に入る予定だ。

 昨年7月の新潟県中越沖地震で当時の安倍首相が発生当日に現地入りして被災地を視察した。福田首相は被災地視察について、「今のところ(予定は)ない」と記者団に語り、慎重な姿勢を示した。「首相が発生直後に行けば、現場が首相への対応に人手を割かなければいかなくなり、行っても混乱するだけだという判断だ」(首相周辺)。

 政府は今後、被害状況を把握して、岩手・宮城内陸地震の激甚災害指定の検討に入る方針だ。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080614-2892868/news/20080614-OYT1T00768.htm