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2008年06月14日(土) 22時39分

【岩手・宮城内陸地震】緊急地震速報は想定通りに機能産経新聞

《仙台では15秒の「猶予」》

 岩手・宮城内陸地震で、気象庁は初期微動(P波)を検知した4秒後の段階で、緊急地震速報を発表した。一般向けの速報が発表されたのは3例目。過去2回は信頼性や有用性をめぐって批判も浴びたが、今回は震度4以上を観測した広い地域に、揺れが到達する数秒から数十秒前に速報が届けられており、機能面では一定の成果を上げた形だ。

 気象庁が初期微動を検知したのは午前8時43分51秒ごろ。3秒後に、予想最大震度が一般向けの緊急地震速報発表の対象となる「5弱」となり、その1秒後に最大震度を「5強」と修正した上で緊急地震速報を発表。さらに4秒後(43分59秒)の段階では予想を「6強」と再修正した。

 緊急地震速報が発表された時点では、震源付近を中心とする半径30キロほどの円内にすでに大きな揺れ(S波)が到達しており、最大震度の6強に見舞われた岩手県奥州市では、速報は揺れの4・43秒後だった。同震度の宮城県栗原市では猶予時間は0・30秒しかなく、大きな揺れとほぼ同時に速報が届いた。

 一方で、円の外側では、速報を発表してから大きく揺れるまでの時間差があり、震度6弱を観測した宮城県大崎市古川では5・38秒、5弱だった仙台市宮城野区で15・32秒などの「猶予」があった。

 気象庁地震津波監視課では「緊急地震速報は今回、説明してきた通りに機能した」と話している。余震が続いたため、14日は午後7時までに、さらに2回の速報が発表された。
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