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2008年06月14日(土) 21時56分

死者6人、安否不明は外国人含め16人…負傷140人超す読売新聞

 14日朝に発生した岩手・宮城内陸地震で、震度6強を観測した岩手県奥州市と宮城県栗原市で新たに4人の死亡を確認した。これでこの地震の死者は6人になった。

 宮城県警などによると、栗原市の駒の湯温泉で旅館宿泊客や従業員ら7人が行方不明になるなど計16人の安否が不明。負傷者は午後8時半現在で140人以上だが、さらに増える可能性がある。

 余震は断続的に続き、同日午後9時までに震度1以上が計192回に達した。気象庁は「今後1週間程度は余震が続くとみられ、震度6弱程度を記録するおそれもある」と警戒を呼びかけた。

 新たに死亡が確認されたのは、岩手県滝沢村の千葉正彦さん(48)。奥州市の胆沢(いさわ)ダム工事現場で落石を受けた。宮城県栗原市の国道のり面工事現場で土砂崩れに巻き込まれた山形県鮭川村の作業員五十嵐正巳さん(54)、同門脇義富さん(53)の2人は同日夜、死亡が確認された。宮城県栗原市湯浜温泉で土砂崩れに巻き込まれた車の中から救出された1人(性別不明)も死亡したという。

 また、宮城県警によると、近くのキャンプ場に出かけた外国人3人、日本人女性1人のグループや釣り人、駒の湯温泉の旅館経営者の家族ら計15人が安否不明。栗原市の別の工事現場でも作業員1人が見つかっていない。

 作業員2人が死亡した工事現場には1人が土砂に埋まったままだが、仙台市消防局レスキュー隊などの捜索活動は余震で難航。午後7時すぎに2人を発見したが、土砂崩落の危険性があり、捜索は打ち切られた。 また、栗原市によると、午後4時半現在、駒の湯地区の道路が寸断するなどして、住民ら約100人が現地に取り残された状態。

 被災地には、東京消防庁が14日午後、ハイパーレスキュー隊員19人を含む職員計34人を現地に派遣した。同隊はがれきの中に閉じこめられた人を見つけ出すファイバースコープなどを使い行方不明者を捜索する。

 この地震で、JR東日本は6か所で架線の切断が見つかった。東北新幹線仙台—八戸間と秋田新幹線上下全線で14日中の運行を見合わせたが、15日は通常ダイヤに戻る見通し。各新幹線の運休は計145本に上り、約11万7000人に影響した。東北新幹線の下り「はやて・こまち1号」は、午後6時7分に仙台駅に到着するまで、乗客約1000人が停車から約9時間半、缶詰め状態になった。

 水道管の破損も各地で相次ぎ、宮城、岩手、秋田、山形の4県で計3300戸が断水。栗原市などには給水車が出動している。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080614-2892868/news/20080614-OYT1T00629.htm