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2008年06月14日(土) 19時47分

【岩手・宮城内陸地震】どうなったライフライン 停電3万戸、電話の規制は午後解除産経新聞

 今回の地震では岩手、宮城両県を中心に東北地方の広い範囲で停電や断水が起きるなど、ライフラインに被害が広がった。東北電力などによると、宮城、岩手両県で一時、3万戸近くが停電。携帯電話や固定電話は14日午前、安否確認などの電話が集中し電話がかかりにくい状況が続いたが、午後には復旧した。

 ■電話
 NTTドコモは宮城、岩手両県で最大87・5%の発信規制をかけていたが、午後1時38分に解除した。同社広報部は「安否確認など通常より多い通話が集中すると想定されるが、処理できる範囲内」としている。

 KDDIも午後2時31分に通信規制を解除。ソフトバンクモバイルを含め携帯各社は、停電の影響や一部の基地局からの回線が切断されているため、宮城県栗原市の一部などで通話しにくい状況が続いている。

 停電が続いた場合、一部の基地局が機能停止し、エリア内で携帯の発着信ができなくなる地域が広がる恐れがあるとしている。現在は予備電源で対応している基地局もあるという。

 一方、固定電話はNTT東日本が地震発生直後から宮城、岩手、秋田の3県で通信を規制したが、午後1時37分に解除。同社広報室は「状況は落ち着いてきていて、現在は回線がパンクするような状態ではない」という。

 ■電力
 東北電力によると、地震発生直後、宮城、岩手両県で約2万9300戸が停電した。その後順次、復旧しており、午後4時現在で停電しているのは約1430戸。そのほとんどが栗原市で、道路が寸断されて孤立している集落で復旧が遅れている。

 ■水道
 厚生労働省によると、宮城、岩手、秋田、山形4県で約3370戸が断水被害を受けている。午後4時までに復旧したのは約230戸という。震度6強を記録した栗原市は約2460戸、奥州市は500戸が断水と大きな被害を受けた。

 ■ガス
 経済産業省によると、岩手県奥州市内の1戸で家が傾いてガスメータが壊れ、供給できない状態が続いている。このほか、都市ガス各社でガス漏れ情報などがあったが、いずれも軽微な損傷で復旧している。LPガスに関する被害情報は入っていない。
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