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2008年06月14日(土) 17時20分

【岩手・宮城内陸地震】「プールの水が津波のように…」 栗原市の小学校産経新聞

 「プールの水が波立って津波のようだった。校舎の瓦が落ちて、中庭の二宮金次郎の銅像にひびが入った」−。

 震度6強に見舞われた宮城県栗原市一迫真坂の「一迫小学校」(佐藤達也校長、児童229人)。地震発生時の激しい揺れの様子を、黒田守道教諭(33)は振り返り、「震える思いだった」と語る。

土砂崩れで土石流に飲み込まれたような家屋が跡形も無く破壊された

 この日は、吹奏楽の指導のため、朝から職員室に来ていた。音楽室では4〜6年の児童27人が楽器の自主練習中。音楽室に駆けつけた際、児童らはすでに校庭に避難するところだったという。

 児童らが自主練習を始めたのは午前8時半ごろ。15分足らずで強い揺れに襲われた。「楽器はいいから床に座って!」と6年生が叫び、全員が頭をかばうようにうずくまった。揺れが収まった後、すばやく校庭に避難したという。児童らにけがはなかった。

 「2日前に避難訓練を行ったばかりだったので、迅速な対応ができたが、まさかすぐにこんな地震が起きるなんて」(黒田教諭)

 一方、同校教諭の佐藤昭彦さん(44)は同市築館の自宅で出勤の準備をしていたところ、激しい揺れに襲われた。

 「ゴーっという強い縦揺れが数秒続いたあと、東西の横揺れが始まった。とっさに近くにいた息子の上にかぶさって、必死で揺れに耐えた」

 2階のタンスが全て倒れ、牛小屋の瓦が吹き飛ぶなどの被害が出たが、佐藤さんや長男の創太くん(10)らにけがはなかった。「家はぐちゃぐちゃになったが、けががなくてなによりだった」

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