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2008年06月14日(土) 15時01分

<ネット恐喝>企業HPを攻撃、引き換えに金銭要求 東京毎日新聞

 企業のホームページ(HP)が攻撃され閲覧不可に。すると攻撃の中止と引き換えに金銭を要求するメールが届く。そんなネット恐喝行為が起きている。

 大手情報セキュリティー会社「ラック」(東京都港区)の相談窓口に今年4月下旬、都内の企業から3件の相談が寄せられた。

 手口はこうだ。ある日突然運営しているWebサーバーに、複数のパソコンから大量のデータを一斉送信(DDoS攻撃)される。そのため回線に大きな負荷がかかりHPの閲覧ができなくなる。次に、攻撃をやめる代わりに特定の口座への振り込みを要求する電子メールが届く。メールは日本語で、初めは50万円程度を要求。無視すると数日後にはつり上がった額の要求メールが届く。

 同社によると、この手の企業脅迫は海外が舞台だったが、昨年5月、国内企業の被害を初めて確認した。以降今年3月までに2、3件あったという。最近の傾向として、ある程度回線の容量を大きくしても対抗できないほど巨大なデータを送りつけることが挙げられる。今回の企業の中には、平常時の40倍以上の量のデータを送信されたケースもあったという。

 同社は、恐喝行為に屈せず、警察のサイバー犯罪相談窓口や利用しているプロバイダーに相談するよう注意喚起をしている。新井悠研究員は「ネットを使ったビジネスだとHPをダウンさせられると致命的。官民連携して対策を講じるべき時にきている」と話している。【高橋望】

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