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2008年06月14日(土) 15時22分

「ドドッと壁崩れた」、激しい縦揺れ「2分」読売新聞

 東北地方を14日朝、激しい揺れが襲った。

 岩手県奥州市などで震度6強を記録。山間地でがけ崩れが相次ぎ、車が土砂崩れに巻き込まれたという情報もある。東北新幹線が急停車するなど各地で交通網は寸断。余震も相次ぎ、時の経過とともに被害が広がりをみせる。

 ◆バ ス

 宮城県石巻市の生命保険会社の社員ら27人が乗ったバスは、名取市と仙台市にまたがる橋の上で、地震の直撃を受けた。社員旅行のため、仙台空港に向かう途中だった。首を痛めた乗客は「走行中にバスが3、4回はずんだ」と青ざめた。25人が転んだりしてけがをしたという。

 奥州市胆沢区の石淵ダム近くの国道397号では、がけ崩れで道路がふさがった。現場はJR水沢駅から20キロの山間地。登山中に地震に遭い、ダム近くまで下山してきた仙台市の会社員阿部正一さん(58)は「登山を始めて30分くらいで、突然、沼の真ん中が噴水のようにわき上がり、水が噴き出した。死ぬかと思ったが、1時間かけてやっと下に戻った」と話した。

 ◆保育園

 園児6人と保育士1人が割れたガラスでけがを負った奥州市江刺区の玉里保育所。保育士の菅野淳子さん(33)は「地震と思ったらあっという間に強い揺れになった。ガラスがガチャーンと割れ、怖くて子どもたちは泣いていた。もう思い出したくもない」と声を震わせた。

 ◆ホテル

 奥州市衣川区の国民宿舎「サンホテル衣川荘」では、エレベーターが停止し、床にひびが入った。千葉正義副支配人(52)は「2分ほど激しい縦揺れが続き、体がけいれんしているようだった。立っていられる状況ではなかった」と語った。

 宮城県栗原市で「ホテルエポカ」を運営する佐々木大佑さん(25)によると、大きな縦揺れが10秒以上続き、自家発電に切り替わった。

 ◆商 店

 岩手県北上市のデパート「さくら野北上店」の食料品売り場で瓶などが棚から落ちて割れ、エレベーターが緊急停止した。

 秋田県湯沢市表町の商店で、壁が歩道に崩れた。肉店経営高橋由美子さん(43)は「ドドドドッとすごい音がして、壁が崩れ落ちてきた。こんなに揺れたことはない」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080614-2892868/news/20080614-OYT1T00447.htm