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2008年06月14日(土) 14時26分

被害深刻連絡相次ぐ 岩手県情報確認に追われる河北新報

 岩手・宮城内陸地震で岩手県内は、震度6強に見舞われた奥州市をはじめ南部を中心に被害が拡大した。県災害対策本部などには発生から時間を追うごとに深刻な被害の連絡が相次ぎ、情報の確認などに追われた。

 奥州市江刺区の玉里保育所では窓ガラスが割れ、園児6人と保育士1人が負傷。保育士の菅野淳子さん(33)が「ぐらぐらという揺れを感じると同時にガラスが一斉に割れたようだ。地震にびっくりして外に飛び出した子どもたちが、降ってきたガラスで頭などにけがをした。子どもたちはびっくりした様子で、わたしも非常に怖かった」と恐怖の様子を話した。

 転落事故があった奥州市の胆沢ダム工事現場では、焼石岳を登ろうとしていた仙台市の男性8人が現場近くに下山してきた。「途中でグラグラと揺れ、立っていられなかった。こぶし大の石が落ちてきて仲間がけがした」と男性(63)は語った。

 一関市厳美町では国道342号や市道に亀裂が入った。強い余震が続き、住民たちは不安げな様子で家の外に出ていた。酒販売店主の佐藤賢吉さん(58)は「いきなり襲われた。店内の冷蔵庫の扉が開いて、中の酒瓶が落ちて割れてほとんど駄目になった。庭に地割れが出来た。恐ろしい。電気も切れている」と不安げに話した。

 岩手県は達増拓也知事があいにく南米に出張中。災害対策本部の副本部長を務める宮舘寿喜副知事は「被害状況の把握に努め、国と連携して早期復旧に全力を挙げたい。知事も早期帰国の方向で調整している」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080614-00000024-khk-l03