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2008年06月14日(土) 14時26分

土曜朝の都市混乱 エレベーター閉じ込め 仙台河北新報

 岩手・宮城内陸地震で仙台市内では宮城野、若林、太白の各区で震度5強を記録するなど、強い揺れに見舞われた。この地震で5人が軽傷を負い、マンションのエレベーターに閉じこめられる人が相次いだ。JR各線や仙台市地下鉄が運転を停止するなど交通機関が混乱した。市は災害対策本部(本部長・梅原克彦市長)を設置し、被災状況の収集に追われた。

■被   害 
 市災害対策本部によると、青葉区の女性(69)が避難中に転倒したほか、太白区の女性(16)が調理中にやけどするなどし、5人が軽傷を負った。
 太白区緑ケ丘2丁目の住宅地ではがけ崩れが発生。同区秋保町馬場では落石があった。若林区蒲町ではブロック塀が崩れた。
 市立病院では一時断水があったが、すぐに復旧した。

■マンション 
 マンションやビルでは人がエレベーターに閉じこめられるトラブルが8件発生した。
 青葉区一番町1丁目のマンションでは、宮城野区の会社員男性(53)が閉じこめられ、市消防局の特別機動救助隊員らに救助された。仕事でマンションを訪れたという男性は「まさか自分が閉じこめられるとは思わなかった」と話した。

■仙 台 駅 
 東北新幹線が不通になった影響などで、JR仙台駅は足止めされた利用客でごった返した。新幹線の改札付近では駅員が拡声器を使い、ダイヤが大幅に乱れている状況などを繰り返し説明した。
 仙台市内への出張を終え、盛岡市に戻る予定だった会社員佐久間威和さん(38)は「携帯電話がなかなかつながらない。同僚と手分けして何とか会社に連絡を取っている。様子を見守るしかない」とあきらめ顔だった。

■ホ テ ル 
 仙台市青葉区の仙台ホテルでは、1階ロビー裏の水道管から水があふれ、1階ロビーが水浸しになった。また、2階と4階のロビーの窓ガラス計2枚が割れたほか、複数枚のガラスにひびが入った。現場のすぐ近くにはバス停があり、朝から人通りが多かったが、現場の警察官によるとけが人はいなかった。営業にも影響はないという。

 従業員らはロビーじゅうたんの水を掃除機などを使って吸い取ったり、ガラスの破片を集めたりと対応に追われた。出張で宿泊中だった八戸市の会社員中島護雄さん(35)は「地震が起きたときはシャワーを浴びており、立っていられない状態だった。洗面所からシャンプーなどが落ちた」と発生当時を振り返った。

■スーパー 
 24時間営業の西友泉店(仙台市)では、食品売り場のワインボトルや焼き肉のたれなど調味料容器がバラバラと棚から落ちて割れた。石井優店長は「酒類売り場に客がいなかったのが幸いだった。割れた瓶は多くなかったが、もしいたら危なかった」と話す。

■地下鉄・バス 
 市地下鉄は地震発生直後の午前8時44分、点検のため運転を停止した。設備などに被害はなく、点検を終えた正午すぎに復旧した。計58本が運休し、約2万9000人に影響が出た。
 市バスは、地震発生時に約280台を運行していた。道路に異常がなく、平常通りの運行を続けている。

■ガ   ス 
 市ガス局によると、正午までにガス漏れがあったとの通報が12件あったが、いずれも異常がないことを確認した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080614-00000022-khk-l04