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2008年06月14日(土) 11時11分

岩手で震度6強、2人死亡スポーツ報知

 14日午前8時43分ごろ、東北地方で強い地震があり、岩手県の奥州衣川と宮城県栗原一迫で震度6強を記録した。町村信孝官房長官は2人が死亡したと発表。1人が心肺停止状態。地元消防などによると、岩手、宮城県で少なくとも50人がけが。また橋が落下、民家が倒壊するなど深刻な被害も出ている。

 東京電力や東北電力によると、福島第一、第二原発、女川原発に異常はないという。

 各地の消防によると、宮城県栗原市の民家でたんすの下敷きになった女性1人が意識不明の重体、ほかに家屋倒壊で4人が下敷きになった。岩手県奥州市のダム工事現場では落石で1人が心肺停止状態。

 奥州市の玉里保育所ではガラスが割れ、園児7人が負傷。仙台市の仙台医療センターによると、橋の上でバスが横転し二十数人がけがをした。宮城県名取市の道路を走行中のバスが地震でバランスを崩し、乗客ら約20人が頭を打つなどのけが。

 気象庁によると、震源地は岩手県内陸南部で、震源の深さは約10キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・0と推定される。その後も震度5弱など余震とみられる揺れが続いた。

 JR東日本によると、東北新幹線は仙台—一ノ関間で通電しない状態で、大宮—八戸間が運転休止中。仙台市地下鉄は、地震のため全線で運転を見合わせた。

 気象庁はこの地震で、地震の大きな揺れの直前に予想震度を発表する緊急地震速報を出した。

 ◆新幹線駅間停車、道路ひび
  岩手県内陸南部を震源とする地震の影響で14日午前、JR東日本は東北、秋田、山形新幹線で運転を見合わせている。

 東北新幹線は地震の影響で送電がストップ。仙台—古川、一ノ関—水沢江刺で、やまびこ46号など新幹線三本が立ち往生し、職員が乗客の救出に向かった。

 高速道路は東北、秋田、山形、釜石自動車道などの広い範囲で通行止め。東日本高速道路によると、秋田道の湯田—横手で路面に長さ約10メートルの亀裂が入った。

 空路は平常通り運航している。

 ◆外国メディアも速報
  東北地方で14日午前に起きた強い地震について、外国メディアは発生直後から一斉に速報、約1か月前に中国・四川大地震が起きたこともあり、英BBC放送がNHKの映像を流すなど高い関心を示した。

 ロイター通信は地震発生から約5分後の午前8時48分に日本のテレビを引用して「東北地方で地震が発生」と伝え、9時53分には「1人が死亡」などと逐一速報。AP通信も、余震で出された緊急地震速報を直ちに報じるなど、詳細な報道が目立った。

 四川大地震を経験したばかりの中国の新華社も英文記事で地震発生を速報した。

 BBCは「ブレーキング(臨時)・ニュース」として、NHKが放送した仙台市の交差点監視カメラの映像などを伝えた。ロシアのタス通信も地震発生から約10分後に速報した。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080614-OHT1T00091.htm