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2008年06月14日(土) 12時40分

2人死亡、100人以上けが 岩手、宮城で震度6強東京新聞

 14日午前8時43分ごろ、東北地方で強い地震があり、岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強を記録、福島県と岩手県で計2人が死亡した。地元消防などによると、岩手、宮城、山形、福島各県で少なくとも100人以上がけが。各地で多数の道路崩落があったほか、橋の落下や民家の倒壊など深刻な被害も出ている。

 気象庁によると、震源地は岩手県内陸南部で、震源の深さは約8キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・2と推定される。震度5弱など余震とみられる揺れが続いた。

 岩手、宮城両県知事は陸上自衛隊に災害派遣要請をした。政府は官邸対策室を設置。泉信也防災担当相ら政府調査団を現地に派遣した。防衛省は自衛隊のヘリコプターや哨戒機、戦闘機で上空から被災状況の確認を始めた。

 気象庁は「岩手・宮城内陸地震」と命名した。

 警察によると、福島県いわき市でがけ崩れがあり、釣りをしていた同市の会社員石井道隆さん(55)が巻き込まれて海に転落して死亡。岩手県一関市の千葉友三さん(60)が、地震直後に家から飛び出しトラックにひかれ死亡した。

 各地の消防によると、奥州市のダム工事現場で落石があり、1人が心肺停止状態。栗原市の工事現場では土砂崩れが発生、作業員1人が巻き込まれて行方不明になった。

 奥州市の玉里保育所ではガラスが割れ、園児7人が負傷。宮城県名取市の道路を走行中のバスが地震でバウンドし、乗客ら25人が頭を打つなどのけが。山形県新庄市でも60代女性が転倒して肩を骨折した。

 また岩手県警によると、奥州市でバスが土砂に埋まり、17人が出られなくなっている。

 東北管内で約2万9000戸で停電、断水も発生するなどライフラインに影響も出ている。

 東京電力や東北電力によると、福島第一、第二原発、女川原発に異常はなく、点検中を除き正常運転している。

 国土交通省によると、東北、山形、秋田新幹線は運転見合わせ。仙台市地下鉄も全線で運転を見合わせた。

 気象庁はこの地震で、地震の大きな揺れの直前に予想震度を発表する緊急地震速報を出した。

(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008061490084953.html