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2008年06月14日(土) 11時44分

【岩手・宮城内陸地震】ゴーッと大きな音、パニック状態のなか誘導産経新聞

 最大で震度6強の強い揺れが東北地方を襲った。「ゴーッと大きな音がして、1分弱ほど縦に揺れた」。民家は倒壊し、土砂崩れや停電も発生。道路は冠水し死傷者も相次いだ。コンビニエンスストアなどの商品は床に散乱。楽しみにしていたはずの週末。住民らは大地震の不安におののいた。

 「まだ北上市内でも電話が通じない」と、震度5以上を記録した岩手県北上市の主婦、阿部裕子さん(56)は不安げに話した。

 阿部さんによると、「ドーン」と大きな揺れがあった後、小さい揺れが何回か続いた。朝食中だったがテーブルの上の食器が落ちることはなかったという。

 震度6強を記録した岩手県奥州市のサンクス江刺岩谷堂店の女性従業員(37)は「店に陳列してある商品がほとんど落ちた。パニック状態で2人の客を誘導することに夢中だったので、縦揺れだったかどうかも分からない。レジにつかまっていないと立っていられなかった。(揺れは)だんだんと強くなる感じだった」と驚いた様子で発生時を振り返る。

 奥州市にあるサンクス前沢塔ケ崎店の店長、小野寺俊(36)さんは「縦揺れで急にドーンときた。1分弱くらい結構、長く感じた。まだ揺れが時折あるので、酒の瓶や高いところにあるものは陳列を控えている」と地震の様子を生々しく語った。

 震源に近い岩手県一関市上大槻街の「ホテルサンルート一関」のフロント係、小野寺博さんは「いきなり強い横揺れがきた。揺れは数十秒続いた。揺れが収まるのを落ち着いて待てた。館内は電灯などが激しく揺れ、エレベーターが緊急停止した」と話す。ただ、「宿泊客が少なかったのが幸いし、けが人もない」といい、胸をなで下ろした様子だった。

 震源地の岩手県奥州市水沢区と30キロほどしか離れていない花巻市では、市民体育館で中学生のバトミントン大会の開会式が始まるところだった。

 同市の及川宣夫教育長によると、「ドドド」と長い縦揺れがあり、その後も余震が続いた。ただ、余震がそれほど大きくなく、競技はそのまま続けているという。

 震度6強を観測した宮城県栗原市では、けが人が相次ぎ、橋が落ちた。同市役所の職員は発生直後、「細かい横揺れを感じた」。机上の書類は床に散乱し、市役所庁舎の外壁や内壁の一部が剥落(はくらく)したといい、「こんな経験は今までない」。

 別の女性職員は発生から約10分後、「今も余震が続いている」と電話口で不安そう。別の職員は「車に乗っていたら地震にあった。町では民家の窓ガラスが割れたり、かわらが落ちていた」と驚いていた。同市では1000人超の職員全員を緊急招集。被害情報の収集作業などにあたる。

 栗原市警防課の職員は「車に乗っていたら地震にあった。町では民家の窓ガラスが割れたり、かわらが落ちていた」と話した。

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