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2008年06月14日(土) 11時15分

<東北地震>「逆断層」活動が活発化 03、05年も発生毎日新聞

 14日朝の地震では、岩手県、宮城県で震度6強を記録するなど、東北各地で強い揺れが起きた。一帯は03、05年にも比較的強い地震が起きており、専門家からは「周辺の地震活動が活発化している可能性がある」との指摘も出ている。

 今回の地震は岩手県南部を震源とする直下型地震だった。専門家は奥羽山地とその東側の北上低地の境界付近を南北に走る活断層「北上低地西縁断層帯」の活動によるもの、との見方でおおむね一致する。島崎邦彦・東京大地震研究所教授(地震学)は「この断層帯では過去に大きな地震が起きている。震源付近では短時間に非常に強い揺れが起きただろう」と見る。

 同断層帯は片方の地盤がもう片方に乗り上げた形になる「逆断層」で、同じ逆断層型の直下型地震(マグニチュード6.4)が03年7月、宮城県北部で起きている。また同年5月と05年8月には、宮城県沖でそれぞれM7.1と7.2の地震が起きた。岡田篤正・立命館大教授(断層学)は、「従来知られている北上低地西縁断層帯よりやや南に震源がある。断層帯が想定より南まで延びているということかもしれない」と指摘したうえで、「ここ数年、大きな地震が相次いだことで付近の断層の活動が活発化している可能性がある」と指摘する。

 政府の地震調査委員会の阿部勝征委員長は「今回の地震は震源が浅いため、震度5程度の強い余震が発生する可能性が高い。今後2、3日は注意が必要だ」と話している。

【斎藤広子、奥野敦史】

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