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2008年06月13日(金) 03時00分

「じゃあ、捕まるんでしょう」=事件後考えず?追及され−秋葉原殺傷の加藤容疑者時事通信

 17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、派遣社員加藤智大容疑者(25)が警視庁万世橋署捜査本部の調べに対し、事件後に自身がどうなるかへの言及がなく、追及され「じゃあ、捕まるんでしょう」と供述していることが12日、分かった。
 捜査本部は計画的に事件を起こす一方で、襲撃後や被害者への考えが欠如していると判断。同容疑者の発想や行動が自己中心的であるとみて解明を進めている。
 ナイフで刺された人が、通行人をはねた交差点付近に多いことも判明。捜査本部は詳しい状況を調べている。
 調べによると、同容疑者は事件2日前、福井市の専門店でナイフ6本を購入。前日には秋葉原でパソコンなどを売却したほか、沼津駅前でトラックを予約した。
 同容疑者は8日午後零時半ごろ、歩行者天国を狙い、トラックで秋葉原駅近くの交差点に突入して通行人をはねた後、歩行者らを次々と刺した。
 調べに対し、同容疑者は「世の中が嫌になった。誰でもよかった」と供述。犠牲者に「申し訳なかった」と言いながら、涙を見せて頭を下げた。
 もともと記憶力がしっかりしているとみられ、事件前の会話や行動を鮮明に覚えており、話しているという。
 しかし、事件当時の状況については「頭の中が真っ白になった」と説明。事件後にどうするつもりだったかの言及がないため、取調官が白昼の人通りの多い中での犯行だった点などを挙げてただすと、「じゃあ、警察に捕まるんでしょう」と話したという。
 捜査本部は同容疑者による携帯電話のサイトへの大量の書き込みも分析。誰も自分を理解してくれないとの孤独感や、仕事や親への一方的な不満の記載から、自己中心的な考えが事件の背景にあるとみて調べている。 

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