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2008年06月13日(金) 14時32分

6人が交差点内で刺される、事件現場再現し実況見分へ読売新聞

 東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、ナイフで襲われた12人のうち少なくとも6人が交差点内で刺された疑いが強いことが警視庁の調べでわかった。

 しかし、襲われた状況の詳細については、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)の記憶があいまいなため、特定が難航。

 同庁では殺人容疑の立件に向け、加藤容疑者の立ち会いのもと、別の場所に現場の歩行者天国を再現して、実況見分を行う方針。

 同庁幹部によると、加藤容疑者は8日午後0時30分ごろ、2トントラックで千代田区外神田1の交差点の人込みに突っ込み、通行人5人をはねた後、殺傷能力が高いダガーナイフで12人を刺した。

 約5分後、万世橋署員に取り押さえられ、その直前に刺した女性(24)に対する殺人未遂の現行犯で逮捕された。

 救急隊員の証言や防犯ビデオの映像などから、同庁では、これまでに死亡した調理師松井満さん(33)ら、少なくとも6人が交差点内で刺された可能性が高いと判断。いずれも無抵抗で、腹や背中をナイフで一刺しされていたという。

 その後、加藤容疑者は、交差点から逃げる通行人を中央通り沿いに追跡して刺し続けていたが、調べに対し、「警察官を含む数人を刺したことは覚えているが、興奮していたので、その後のことはよく分からない」と供述しているという。

 同庁幹部によると、交差点から南へ約70メートル離れた場所で倒れ、死亡した会社員宮本直樹さん(31)や、逮捕直前に刺された女性ら数人は、刺された後、走って逃げる途中で倒れたとみられ、どの場所で襲われたか分からないという。交差点内で刺されたとされる6人についても、誰が最初に刺されたか判明していない。

 事件当時、交差点付近には数百人がいたとされるが、名乗り出てくる目撃者は少なく、同庁では、目撃者に協力を呼び掛けている。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00504.htm