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2008年06月13日(金) 03時03分

加藤容疑者「両親とはずっと疎遠」と供述読売新聞

 東京・秋葉原で17人が襲われた無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が、「両親とうまくいかず、ずっと疎遠だった」と供述していることがわかった。

 犯行の直接のきっかけは、職場でのトラブルとみられているが、加藤容疑者が書き込んでいた携帯サイトの掲示板にも、高校時代から募っていた両親への不満がつづられていた。警視庁は、両親への根深い不信感が犯行の伏線になったとみて調べている。

 同庁幹部によると、加藤容疑者は、取り調べが自らの生い立ちや家族のことに及ぶと泣きながら、「自分の置かれている境遇が、本当に嫌だった」と打ち明け、「両親とはしばらく連絡を取っていない」と話しているという。

 「日記代わりだった」として、加藤容疑者が投稿していた携帯サイトの掲示板には、「親に無理やり勉強をさせられていた」「親が周りに自分の息子を自慢したいから完璧(かんぺき)に仕上げたわけだ」などと、子育ての方針や家庭環境などを巡る強い不満が繰り返し書かれていた。

 加藤容疑者は、青森県有数の進学校を卒業後、岐阜県内の短大を経て、派遣社員として埼玉県や茨城県内などの職場を転々としていたが、その理由を「(親のいる)地元にいたくなかったから」と供述。静岡県の派遣先の同僚には「両親は離婚し、自分は住所不定みたいなもの」と話していた。同庁は詳しい動機を解明するため、加藤容疑者が初めて挫折を経験したという高校時代に着目し、両親と同居していた当時の暮らしぶりや親子関係を調べている。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080613-OYT1T00062.htm