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2008年06月13日(金) 19時19分

日雇い派遣「原則禁止」に業界反発 舛添厚労相方針で産経新聞

 舛添要一厚生労働相は13日の閣議後記者会見で、「通訳など専門職以外の日雇い派遣は、かなり厳しい形で考え直すべき。労使双方の意見を聞いた上で秋には法律の形できちんと対応したい」と述べ、秋の臨時国会に提出する労働者派遣法の改正案に日雇い派遣を原則禁止することを盛り込む方針を示した。

 労働政策審議会(厚労相の諮問機関)では、ワーキングプアの温床とされる日雇い派遣の禁止を求める労働者側と、これに反対する経営者側が対立している。こうした事態を受け、有識者による「今後の労働者派遣制度のあり方研究会」が2月に発足、議論を重ねている。研究会は7月末に報告書をとりまとめる予定。

 厚労省は、専門的業務以外の日雇い派遣を原則禁止しても、直接雇用の日雇いアルバイトで代替できるとし、「直接雇用の方が雇用責任が明確化される」と主張する。7月の研究会報告をうけて労政審で禁止する期間や職種など具体的な内容を詰める。民主党など野党は日雇い派遣の全面禁止を求めているが、「舛添厚労相は厳しくすべきという意気込みを示した。専門職以外の日雇い派遣を全面禁止するかは今後の議論」(厚労省)としている。

 一方、人材派遣会社約800社で組織する日本人材派遣協会は「労働者側にも1日だけ働きたいというニーズはあり、日雇い派遣の全面禁止は反対」という。同協会では「日雇い派遣を全面禁止すると違法な労働者供給が地下にはびこる可能性がある」ことも懸念している。

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