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2008年06月13日(金) 13時30分

最先端技術にも活用される伝統文化「折り紙」の世界R25

折り紙といえば、「昔、折り鶴折ったよなぁ…」なんて人も多いかも。しかし、それとは一線を画す世界があった。この龍、ものすごいことになってますけど、何回折ったらこんな形に!?

「何回かはわかりませんが、一日中製作したとして、1カ月はかかります。“世界で最も複雑な折り紙作品”といっても、過言でないかと。いま注文をいただいても、製作に1年以上は必要ですね。それに、100万円はいただかないと…」(作者・神谷哲史さん)

ひゃ、100万円!! 写真だけで満足しておきます…。

世界でも「ORIGAMI」と呼ばれ、日本が世界に誇る折り紙文化。1枚の紙から立体を作り出すこの技術(!?)は、アートばかりでなく、工業製品の世界にまで広がっている。それが、「折り紙工学」だ。03年に、日本応用数理学会で折紙工学研究部会を設立した萩原一郎先生にお話を伺った。

「『折り紙工学』は、02年に東京工業大学・野島武敏特任教授が提唱したのが始まり。昨年、科学雑誌『ネイチャー』で紹介され、世界でも注目されるようになりました」

そして生まれたのが、ダイアコアパネルと呼ばれるプレートだ。平面から立体を作る折り紙の手法を応用している。

「同じ体積の鉄板に比べ、5倍程度の強度を持ちます。現在は、車両の軽量化、折り畳み家具、建築資材など、様々な分野で活用できるよう研究を行っています」(萩原先生)

将来的には、クルっと丸めてロケットの先端部分などに収納し、宇宙空間に巨大なダイアコアパネルを広げてステーションに!! なんてことも可能かもしれないそう。

「学会では、“反転らせん型円筒折紙構造”も開発しています。これは円筒の容器に折れ線をつけ、回転しながら折り畳める構造。たとえば、使用後のペットボトルを素手で簡単につぶすことができるんですよ」(萩原先生)

この仕組みを使った商品が、まもなく某ビール会社から販売予定だとか。アートからエコまで、達人たちの探求はまだまだ続きそうです。
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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