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2008年06月13日(金) 15時01分

<秋葉原殺傷>加藤容疑者 車ではねた後、即死男性も刺す 毎日新聞

 東京・秋葉原で17人が殺傷された事件で、現行犯逮捕された派遣社員、加藤智大容疑者(25)=静岡県裾野市=が、トラックではね即死状態になった被害者をさらにダガーナイフ(短剣、刃渡り約13センチ)で刺していた疑いが強いことが分かった。刺した際にナイフを上方に動かし、内臓をより損傷させたケースがあることも判明。警視庁万世橋署捜査本部は加藤容疑者の強い殺意を裏付ける行為とみて調べている。

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 調べでは加藤容疑者は今月8日午後0時半ごろ、東京都千代田区外神田の交差点に赤信号を無視してトラックで突っ込み、5人をはねて、そのうち男性3人を全身打撲などで死亡させた。

 捜査本部が交差点付近で死亡した3人を司法解剖した結果、1人の体にトラックとの衝突で受けた傷のほか、鋭利な刃物で刺されたとみられる傷があった。男性ははねられた直後に即死状態になったとみられ、亡くなった後に刺された可能性が高いという。

 加藤容疑者は通行人を襲った際、ダガーナイフのほか、上着の内ポケットに折り畳み式の小型ナイフ、靴下の中にペティナイフを隠し持っていたことが判明している。加藤容疑者は調べに「使ったのは1本だけだった」と供述しており、ダガーナイフで刺したとみられる。

 加藤容疑者はほかの通行人らも次々と刺し、最終的に4人を刺殺。この中には刺した際にダガーナイフを上方に動かし、より傷口を広げて致命傷を与えたケースがあることも分かった。4人の死因はいずれも胸や腹などを1回刺されたことによる失血死だった。

 また、加藤容疑者が午後0時半ごろ、交差点に突っ込む際、赤信号で停車していた数台の車を右側からよけながら突っ込んでいたことが分かった。加速をつけるねらいがあったとみられる。

 捜査本部は周到な計画を立ててトラックで突っ込み、執ような殺意のもとに無差別殺人を実行したとみて、加藤容疑者を厳しく追及する。【川上晃弘、佐々木洋、古関俊樹】

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