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2008年06月13日(金) 13時01分

東京・秋葉原殺傷:雨の中、川口さん告別式 友人ら200人すすり泣き /千葉毎日新聞

 東京・秋葉原で7人が殺害された無差別殺傷事件で犠牲になった流山市南流山、東京情報大2年、川口隆裕さん(19)の告別式が12日午後、同市流山の斎場「ライフケア流山会堂」で営まれ、雨が降りしきる中、親族や友人ら約200人が参列した。
 参列者によると、父健さん(53)が「息子は19歳で命を落として残念だ。このような事件が二度と起こらない社会になってほしい」と無念さをにじませながら話すと、会場からはすすり泣きが漏れたという。
 川口さんのひつぎには、友人らと一緒に写った写真や、好きだった小説の文庫本が納められた。午後2時半過ぎ、友人ら約10人がひつぎを霊きゅう車に運び入れ、参列者が静かに出棺を見送った。
 高校・大学を通じて友人だった、柏市の同大2年、伊藤敏成さん(19)は「またいつか会えるからと言って別れた」と、大粒の涙を流した。高校2、3年時に担任だった、二松学舎大学付属沼南高校(柏市)の曽田顕教諭(51)は「気持ちの穏やかな、文句の付けようのない素晴らしい生徒だった。今はただ冥福を祈りたい」と話した。
 事件を受け、堂本暁子知事は12日の定例会見で「不条理に、何の理由もなく命を落としたことについては、悲しいというよりも無念さ、やり切れなさを感じる」と、川口さんらの死を悼んだ。
 また、凶器のダガーナイフなどについては「規制すれば事件がなくなるのか」と疑問を呈した。その上で、「今回の事件はバーチャルな世界と現実の犯行とが本人の中でも連動したような形で起こっている。凶器より、そういった人の育ち方に危機感を感じる」と述べた。【長谷川力、柳澤一男、神足俊輔】

6月13日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080613-00000126-mailo-l12