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2008年06月13日(金) 08時00分

「書き込み生活の一部」 心理状態探る手がかりか 秋葉原無差別殺傷産経新聞

 秋葉原の無差別殺傷事件で、加藤智大容疑者=殺人未遂の現行犯で逮捕=が、警視庁万世橋署捜査本部の調べに対し、「携帯(サイトの掲示板)の書き込みは生活の一部」と供述していることが12日、分かった。捜査本部は、掲示板が事件に至る加藤容疑者の心理状況を解き明かす重要な手がかりになるとみて分析を急いでいる。

 調べでは、加藤容疑者の掲示板への書き込みは5月中旬以降だけでも、3000件を超えている。職場や家族への不満などの心理面に加え、職場で作業着がなくなったことを発端に事件を起こす経過が克明に記されている。調べに対し、加藤容疑者は「書き込みは生活の一部でその都度、記録や書き込みをしている」と話しているという。

 加藤容疑者は取り調べに淡々と応じ、「うそはつきたくない」と供述。懸命に記憶をたどり、被害を与えた通行人の数を覚えているかについて尋ねられると、涙目になり、悔やんだ表情もみせているという。さらに「7人が死んだ結果は申し訳ない」と、結果の重大性を認識する言葉も口にしている。

 一方、加藤容疑者が犯行前に現場の交差点を一往復するなどしていたことが判明した。加藤容疑者は8日午前11時45分ごろに現場付近に到着したが、歩行者天国になる正午前だったため、人通りが少なかった。加藤容疑者は「歩行者天国の時間は知っていた」と供述し、待機していたとみられている。

 捜査本部は時間調整や下見のために交差点を一往復したほか、犯行をためらっていた可能性もあるとみて、加藤容疑者を追及している。

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