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2008年06月12日(木) 12時02分

ヤミ金で借りた元金は返済不要オーマイニュース

 朝日新聞の記事によりますと、山口組系・旧五菱会のヤミ金融事件の統括者に対して、愛媛県内の借り手11人が損害賠償を求めた訴訟の判決で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は6月10日、「著しく高い金利で違法な貸し付けをした業者からは、利息だけでなく元金も含めて借り手が支払った全額を損害として取り戻せる」との初めての判断を示しました。

 上記の判決文ではわかりにくいので、ぶっちゃけて言いますと、要は、法外に高い金利でヤミ金から借金した債務者は、借りた金を返す必要はなく、返したとしても、その支払ったお金を取り戻せるということだそうです。ヤミ金の厳しい取り立てに苦しむ多重債務者にとって朗報であるとは思います。

 それで、なんでこんな理屈になったかというと、判決には「元金は違法な利益を得るという反倫理的行為の手段であり、貸した時点で不法な給付に当たるので、返済する必要がない」と述べています。

 またよくわからない文書なので、ぶっちゃけますと、そもそも、借りたお金自体が、不法原因給付でお金を貸しているので、元本自体もヤミ金に返す必要はないということだそうです。不法原因給付というのは、要するに、麻薬の売買などを考えていただければよいと思います。麻薬の売買で、売り手が買い手の未払いのお金を請求したとします。その請求権を認めてしまうと、麻薬の売買自体を認めることになるので、買い手には、麻薬の代金を支払う義務は発生しないということです。

 まあ、最高裁の判断は妥当なものだとは思います。そもそもヤミ金自体が違法行為ですから、契約自体も無効になるのは当然と考えられますからね。

 あと、今回の判断が最高裁であったのが重要です。最高裁の判例は、法律と同等な効力がありますので、今後のヤミ金裁判に大きな影響があります。でも、返さなくていいからってヤミ金に手を出して踏み倒そうなんて考えないほうがいいと思いますよ。ヤミ金自体怖いものですし、踏み倒し目的に借りたものが裁判において保護されるとは限りませんから……。

(記者:山田 太郎)

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