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2008年06月12日(木) 12時00分

「黒板」も「チョーク」もない!最先端のIT教室見学記R25

5月7日、日本で記者会見を開いたマイクソフトのビル・ゲイツ会長。米Yahoo! 買収騒動に対するコメントが話題だったが、日本のパソコン市場について興味深い発言を行った。いわく、「教育現場はオンライン化が遅れている」——と。果たして、日本の教育現場のIT化はどうなっているのだろう? 東京都教育委員会の情報化推進担当者にお話しを伺った。

「東京都教育委員会では、すべての都立学校260校に対して2〜3年後をめどに『電子教材』の普及を目指しております。具体的にはすべての学校にLANを構築し、全教室で同じ教材を閲覧できるようにします」

LANを活用したり、教材をデータ化したり。全体的なイメージとしては、オフィス環境に近くなると考えてよさそうだ。でも、黒板消しを叩いて粉を払っていた世代からすると、電子教材と言われてもピンとこない。そこで実際、電子黒板を利用した授業を行う墨田区立文花中学校の英語の授業を参観させていただくことに。

まずはプロジェクターを使った英語の発音の勉強。発音中に、カラオケの要領で現在どこの文章を読んでいるのか、文字の色で理解できるようになっていた。さらに一番驚いたのが、授業の最後に行われるクイズ。生徒ひとりずつに配布されたリモコンで、その日の授業内容の復習として4択問題に答えるというものだ。生徒は興奮しっぱなしで、目を輝かせながら問題に答えていたのが印象的だった。

「もちろん、電子黒板だからできることも多いと思います。数学の授業では、正確な関数グラフを表示できますし、授業の最後のクイズは生徒たちの興味をひきつつ、全員がどの選択肢を選んだかを知ることができる。この、生徒の理解度が一瞬で分かるメリットは大きいですね」

逆に、教室のIT化によるデメリットや今後の課題はありますか?

「やはり、機器に使い慣れていない先生が多いことでしょうか。現在、電子黒板の授業は機械に強い人に立ち会ってもらってます。慣れれば楽でしょうが、現状では通常の授業よりも労力を使いますね」

IT化を進めるのは先生も大変みたい。でも、一心不乱にリモコン操作していた生徒たちを思い出すと、電子黒板の導入はなかなか教育現場では評価されているようだ。果たして、こういった授業を受けた子どもたちのなかから、ビル・ゲイツII世は出てくるのだろうか。
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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