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2008年06月12日(木) 15時01分

<秋葉原殺傷>ダガーナイフ、生産と輸入中止 関の刃物業者毎日新聞

 東京・秋葉原で17人が殺傷された事件に絡み、刃物の生産地として知られる岐阜県関市の「岐阜県関刃物産業連合会」(北村正敏会長)が、凶器として使用されたダガーナイフ(短剣)の国内向け生産と輸入を中止する方針を固めた。12日の運営委員会で正式決定する。警察庁などの関係省庁に銃刀法の改正や輸入禁止の措置を求めることにしており、北村会長は「ダガーナイフは日本では必要がない」と話している。

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 連合会は関市の刃物の生産、卸業者の9団体362社で構成している。約780年前から日本刀を作ってきた技術を生かし、戦後は家庭用刃物の生産に転向。包丁、ナイフとも全国のシェアの5割を超え、ドイツ・ゾーリンゲンと並ぶ世界的な生産地だけに、今回のダガーナイフ生産中止の影響は大きい。

 北村会長によると、ダガーナイフは関市でも長年、米国メーカーの依頼で生産・輸出し、米軍に納入され戦闘用として使用されてきた。相手を突き刺すための両刃の武器で、耐用性が高く、殺傷能力が高いとされる。銃刀法では刃渡り15センチ以上の刀剣類の所持には許可が必要だが、凶器として使用されたダガーナイフは13センチ。北村会長は「殺傷能力も高いし、片刃の刀剣類と同じ基準の規制ではおかしい。そもそも国内では使用する必要がない」と訴える。

 近年は生産コストの上昇に伴い、生産拠点が中国などにシフトし注文は激減しているといい、逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が今回使用したダガーナイフも中国で生産されたものという。

 北村会長は「生産・輸入を中止することで国内での流通を少しでも食い止めたい。不正なルートで密輸入されないよう税関などのチェック態勢も強化すべきだ」としている。【河嶋浩司】

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