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2008年06月11日(水) 15時49分

無差別殺傷 神戸や奈良ホコ天警戒強化産経新聞

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件を受け、歩行者天国や類似のエリアを担当する警察当局などは警戒感を強めている。

 神戸の冬の風物詩「神戸ルミナリエ」。光のアーケードが続くメーンストリート(約270メートル)を中心に周辺の道路が歩行者天国となり休日には約40万人の観光客が集まる。

 昨年は、警察官や警備員など1日あたり約700人態勢で雑踏警備を実施した兵庫県警地域指導課は「主催者側と調整しながら、昨年と同じような徹底した態勢を取りたい」と述べる。

 大阪府内では昭和49年から63年にかけて、キタの阪急百貨店の周辺道路で歩行者天国が実施されていたが、現在は存在しない。

 御堂筋パレードや天神祭などにあわせて通行規制を行っているが、こうしたイベントでは、府警は雑踏警備に大量の警察官を動員しており、秋葉原のような歩行者天国に比べ、警備は手厚いという。しかし、今回のように計画的な犯行への対処は難しい。大阪府警幹部は「警察全体で対策を考えていかなければいけない問題だ」と話した。

 京都市の場合、中心市街地にあるアーケード商店街の寺町通(中京区)や新京極通(同)には、土産物店や飲食店などが立ち並び、観光客や修学旅行生で一年中にぎわっている。京都府警地域課は「制服警察官による『見せる警戒』で犯罪を未然に防止したい」としている。

 奈良市中心部の商店街・三条通では、日・祝日の午前11時〜午後7時にJR奈良駅前〜猿沢池間の約800メートルが歩行者天国になる。奈良署は、進入禁止の立て看板を出しているが、車の侵入を想定した警備などは行っていない。同署は「秋葉原のような事件は想定外」としており、現時点では、具体的な対応を検討しきれていないのが現状だ。

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