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2008年06月11日(水) 12時02分

オウム事件 被害者救済法が成立 苦労報われた…高橋さん毎日新聞

 オウム真理教事件の被害者救済法が11日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。坂本堤弁護士一家殺害事件から19年、地下鉄サリン事件から13年を経て、ようやく国による被害者救済が前進する。

 霞ケ関駅助役だった夫一正さん(当時50歳)を亡くした「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人、高橋シズヱさん(61)は、本会議場の傍聴席で見守った。賛成234、反対0で可決されると、控えめな笑みを浮かべ、大きくうなずいた。「13年の苦労が報われた。成し遂げた充実感がある」と話した。

 一連の事件被害者への公的補償はほとんどない。教団の破産手続きは3月に事実上終了し、被害者への配当は債権額の約4割にとどまる。高橋さんは議員と面談し、寝たきりの被害者を支える家族や後遺症に苦しむ被害者の声を届けてきた。「そういう方たちを思い浮かべ、犠牲者の無念を訴えないといけないとの思いでここまでこれた」と振り返った。

 同法では、国が賠償金をいったん支払い、教団に求償する。対象は地下鉄・松本両サリンや坂本弁護士一家殺害など8事件の約4000人。被害を6段階に分け、要介護の後遺障害に3000万円▽死亡と重度障害に2000万円▽その他の被害に500万〜10万円−−を支払う。【銭場裕司、北村和巳】

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